東日本大震災8年

動かぬ腕、補償ゼロ 津波で障害、漁師断念

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自宅の縁側で語らう大川貞男さん(左)と妻ヒメ子さん。貞男さんは津波で左腕に後遺症が残り、漁師への復帰は断念せざるを得なかった=岩手県山田町で2019年2月23日、喜屋武真之介撮影
自宅の縁側で語らう大川貞男さん(左)と妻ヒメ子さん。貞男さんは津波で左腕に後遺症が残り、漁師への復帰は断念せざるを得なかった=岩手県山田町で2019年2月23日、喜屋武真之介撮影

 東日本大震災でのけがが原因で障害が残った人がいる。岩手県山田町に住む大川貞男さん(77)。津波にのみ込まれてがれきがあたり左腕が今も不自由だ。被災地で復興が進む姿とは対照的に「自分だけ取り残されている」と孤立感を深めている。【本橋敦子】

 半島に抱かれた風光明媚(めいび)な山田町の山田湾。震災の津波に襲われたが、今は穏やかな水面にカキ養殖のいかだが浮かぶ。湾の近くに住む大川さんはこの海で50年間、漁業にいそしんだ。「普段は忘れたふりをしてるけど、海を見るとやっぱり切ない」

 震災が起きた時、大川さんはいったん避難したが、自分の船が心配になり、港に戻った。漁師仲間と防潮堤から海を見ると、水がひいて海底が見えた。「津波が来る」と思い、自宅に寄って大切な物を持って行こうとしたところに津波が襲来。家屋などのがれきと一緒に流された。

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