メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

毎日フォーラム・パラスポーツ

ボッチャ 小児がんの子どもたちとともに

プレーごとに、歓声がこだました「ボッチャで遊ぼう~小児がんの子どもたちとともに」=東京都中央区の聖路加国際大学本館で2019年2月15日

 「国際小児がんデー」の2月15日、東京・築地の聖路加国際大学で、「ボッチャで遊ぼう~小児がんの子どもたちとともに」という催しがあった。パラリンピックには小児がんを経験した選手が多く出場している。発案した小児がんの専門医たちは「幼児からお年寄りまで、多くの人が楽しめるパラリンピック競技・ボッチャで遊ぶことで、重い病気と闘う子どもたちや、通院する子どもたち、兄弟姉妹に元気や勇気を贈りたい。パラリンピアンを応援したい」と企画した。約50人が楽しんだ様子を紹介したい。

     主催したのは、小児がんの専門医や医療従事者らで作り、病院など国内200以上の機関が参加するNPO法人・日本小児がん研究グループ(JCCG)。同大学と、1996年から小児がん征圧キャンペーンを続ける毎日新聞社が共催し、東京2020公認プログラムとして開いた。

     ボッチャの語源は、イタリア語の「木のボール」など諸説がある。欧州で、重度の脳性まひや、四肢の重度機能障害のある人のために考案された。ルールは、赤球と青球の2チームに分かれ、各6球持ち、目標球(白球)に、相手チームよりも、いかに多く自分たちの球を近づけるかを競う。球を投げることができない人は、滑り台に似た勾配具を使うことや、蹴ることも認められている。日本が16年のリオ・パラリンピックで、団体で銀メダルを獲得したことで一般にも知られるようになり、企業などでボッチャ部ができるなど、広がりを見せている。

     今回の交流会では、ボッチャ指導員の筆者も、運営のお手伝いをした。ボランティア参加の看護学部の学生約10人に協力してもらい、大学施設のホールに、通常サイズ(12.5メートル×6メートル)のほぼ半分の6メートル×3メートルのコートを二つ作ることから始めた。学生たちは、ホール常設の重い木製椅子を片付け、床に養生用の白テープを張り、競技場を完成させた。

     参加者には、ボッチャ未経験者も多かったため、球に触れ、慣れるために、A4判の白い紙の上に球を置いたり、「V」や「I」の字を作ったりすることから始めた。投球練習で参加者は、思ったところにボールが行くと大喜びし、狙いが外れると悔しがった。車いす利用者や点滴を受けながら参加した子どもも、付き添いのつもりで来た大人も、投げた球の行方に一喜一憂した。2時間の催しの最後には試合をやり、わずか2ミリ程度の差で勝敗が決するシーンや、大逆転もあり、ホールに歓声が響いた。

     参加した子どもたちは「逆転されて、悔しかった」「また、ボッチャをやってみたい」。大人も「笑いと歓声が絶えなかった。ボッチャがあれほど熱くなれるものだとは、予想していなかった」と述べた。看護学生の中には「体験の時間が終わるのが名残惜しかった。私は地方出身なので、主要都市以外でもやってほしい」との声もあった。

     JCCGによると、国内の小児がん発生数は年間2500人前後。種類が多く、専門家が少ないため、水谷修紀理事長は「小児がんの患者は日常、孤独な状況に置かれてしまいがち」と語る。だが、「多くの人と一緒に競技に参加することが励ましになる。がんになっても克服して活躍できる時代になってきた」と言い、今後もこのような活動を考えたいという。(毎日新聞社オリンピック・パラリンピック室委員、山口一朗)

    おすすめ記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 定員割れ神戸・楠高 重度脳性まひ男性が2年連続不合格
    2. 中2男子、校内で同級生の頭を刺す 容体不明 殺人未遂で逮捕 愛媛
    3. 原料に金属か、ロッテとブルボン菓子回収 宇部興産設備で破損、影響拡大
    4. 米グーグル、年内にゲーム参入 専用機不要、業界の構図変動も
    5. 辺野古 玉城知事の「上告取り下げ」県政与党は寝耳に水 首相に辺野古「譲歩カード」 /沖縄

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです