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社説

関心高まる骨髄バンク ドナーへの支援策拡充を

 白血病などの患者への骨髄の提供者(ドナー)が事前に登録する、骨髄バンクへの関心が高まっている。

     競泳選手の池江璃花子(いけえりかこ)さんが白血病による入院を公表したことがきっかけだ。ドナーの募集などを行う「日本骨髄バンク」には数日で約2000件も問い合わせがあった。骨髄移植への関心が高まり、登録者の増加につながることが期待される。

     骨髄移植を行う場合、白血球の型が一致するドナーの確保が欠かせない。このため、提供する意思を持つ人があらかじめ白血球の型を登録することで、一致した患者を速やかに仲介する仕組みが骨髄バンクだ。

     ドナーとして登録している人は現在、約49万人に達している。18歳から54歳までの年齢制限があり、年間約2万人が登録を外れるため、若者を中心とする新規登録が欠かせない。少子高齢化の影響で将来の登録者数確保が危ぶまれている中だけに、共感の広がりは心強い。

     ただし、せっかく患者と登録者の白血球型が一致しながら、移植に至らないケースもある。

     国内で日本骨髄バンクを介しての移植を必要とする新規患者は、年間約2000人いる。このうち白血球の型が一致するドナーが見つかる患者は96%にのぼるが、実際に移植を受けられた割合は6割弱にとどまる。「都合がつかない」など、健康状態以外の理由で提供を見送るケースが少なくないためだ。

     骨髄提供の場合、ドナーは通常3~4日の入院を含めて8日前後の休みを取る必要がある。このため、休暇を取れるかどうかや、その期間の収入の確保が課題となる。とりわけ、自営業者やパート従業員らのドナーにとっては切実だ。

     負担を軽減するため、ドナーに特別の休暇制度を設ける動きが企業や団体に広がっている。助成金などの支援についても、全国の約4分の1にあたる437の市区町村が独自に導入している。

     だが、国が助成制度を設けることについて、政府は骨髄提供は自主的なボランティアだとして慎重だ。

     自治体の意欲は評価するが、本来は全国的に一律の助成をすることが望ましい。骨髄バンクの土台をさらに強化するため、国も支援に踏み出す時である。

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