メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

アプリ開発、女性や高齢者も参入 雇用創出数増加の背景に

 米アップルが公表する日本での雇用創出数が増えた背景には、アプリ開発者の裾野拡大がある。プログラミング教育の広がりや、従来より容易に開発できる技術の登場が、高齢者や子育て中の女性らの開発参入を後押ししている。

 アップルによると、2018年に同社に登録している日本のアプリ開発者・団体数は、16年比32%増の70万2000。増加の一因は、アップルが14年に発表した自社製品向けの独自プログラミング言語「Swift(スウィフト)」だ。プログラミング言語はコンピューターへの指令であるプログラムを書くのに使われる。スウィフトはシンプルな設計で動き、不具合が起きにくく修正も容易とされ、専門的な知識が少なくてもアプリ開発ができるという。

アイフォーン向けゲームアプリ「ヒナダン」を開発した若宮正子さん=東京都港区で2018年12月20日午後5時、今村茜撮影

 最高齢のアプリ開発者として有名な神奈川県藤沢市の若宮正子さん(83)が17年に開発した「ヒナダン」は、ひな人形を1体ずつ飾っていくゲームアプリだ。大手行を定年退職後、趣味でパソコンを楽しむ中で「シニアが遊べるゲームがない」と開発を思い立った。

 プログラミングを学んだことはなかったが、友人にスウィフトを教わるなどして自力で開発。「おばあちゃんが開発したアプリ」と話題になり、18年には米国の国際連合本部で講演するなど注目された。若宮さんは「年を重ねるほど人生は面白くなる。挑戦したいことがたくさんある」と意欲を燃やす。

アイフォーン向けプログラミング学習アプリ「コードベル」を公開した小林コトミさん=横浜市で2018年12月20日午前11時5分、今村茜撮影

 スウィフトを使い、子育て中の女性の再就職を支援する動きも出ている。6歳の娘を持つ横浜市の小林コトミさん(39)は16年、スウィフトをより簡単に学べる初心者向け学習アプリ「コードベル」を公開した。

 小林さんは妊娠を機にIT企業の技術職を退職。約1年後にパートタイムの事務職を目指したが、50社の採用面接に落ちた。ところが、プログラミングができると明かしたとたんに税理士事務所に採用された。

 その経験から「プログラミングを学ぶことが女性のキャリア形成に役立つ」と、技術者育成を支援する会社を15年に設立。初心者も扱えるスウィフトを題材に学習アプリを開発した。家事や育児の間の5~10分で1単元を学べるよう工夫。解説も気軽な会話形式にし、アップルの16年のアプリ10選に入った。

 経済産業省によると、国内のIT人材は15年時点で約17万人が不足。30年には約59万人に不足規模が拡大すると推計されている。女性や高齢者らがアプリ開発を担うことで、人材不足を補う役割が期待される。【今村茜】

おすすめ記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 難病を紹介する動画 人気声優が拡散に一役
  2. 男性から男児の性的被害、トラウマ深刻 元特別支援学校の教諭逮捕
  3. 大阪・岸和田で工場火災 8棟約2600平米焼く けが人なし
  4. 「気持ち抑えきれず」TDLで中学男子生徒にキス、女性教諭を懲戒免職 千葉県教委
  5. 全国高校eスポーツ選手権 大黒柱はLOL初の高校生プロゲーマー 初代王者狙う学芸大付国際

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです