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社説

日米韓の北朝鮮核協議 認識のすり合わせが必要

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 北朝鮮の核問題をめぐり、日米韓3カ国の実務者がワシントンで協議した。不調に終わった先月の米朝首脳会談についてビーガン米北朝鮮担当特別代表が説明したとみられる。

     首脳会談では、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が一部の核施設廃棄の見返りに経済制裁のほぼ全面的な解除を要請し、トランプ米大統領が全核施設の廃棄を求めて折り合えず、物別れに終わった。

     わかったのは、北朝鮮の核問題が一筋縄ではいかないということである。米朝首脳の再会談は容易ではあるまい。

     首脳会談の決裂は、日米韓それぞれに大きな影を落とした。

     トランプ氏は非核化に向けた具体的なプロセスに踏み出せず、「合意」という成果を残せなかった。

     大規模な米韓合同軍事演習を終了する一方、非核化が進まなければ制裁強化を検討する構えだ。

     安倍晋三首相は核ミサイル問題の進展と合わせて日本人拉致問題を前進させる、という戦略が揺らいだ。

     安易な妥協を避けたとしてトランプ氏を支持するが、制裁の一段の強化についての態度は明確ではない。

     文在寅(ムンジェイン)韓国大統領は共同の経済協力事業の再開で、南北関係を進展させようとしたもくろみが外れた。

     韓国内にはより主導的な役割を担うべきだとの意見と、対米協調を重視すべきだとの意見が混在する。

     日米韓は「完全な非核化」に向けた手順でも異なる。非核化に向けた制裁維持を重く見る日米に対し、韓国は南北関係進展に向け朝鮮戦争の終戦宣言など融和策を優先する。

     核の脅威が解消されず、軌道修正を迫られているにもかかわらず、各国とも今後の方向性について定まっていないのが現状だ。

     バラバラの状態のままでは、北朝鮮に足元を見られるだけだろう。

     米シンクタンクは北朝鮮が一部解体したとされるミサイル実験場の再建を始めたとみている。トランプ氏は「事実なら失望する」と述べた。

     北朝鮮は核ミサイル実験を凍結しているが、物別れの状況が続けば緊張が高まっても不思議ではない。米朝実務者の対話再開が急がれよう。

     非核化後のアジア秩序を築く際にも日米韓の協力は欠かせない。不断の認識のすり合わせが必要だ。

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