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違法ダウンロード「対象拡大」削除へ、首相が指示 著作権法改正案

安倍晋三首相=首相公邸で、宮間俊樹撮影

 海賊版サイト対策の強化を目的とした著作権法改正案について、自民党は文化庁に対し、違法ダウンロードの対象を全著作物に拡大する項目の削除を求める方針を固めた。この項目は改正案の柱だが、利益が守られる側の漫画家団体のほか、一般のネット利用者から「インターネット利用を萎縮させる」などと懸念する声が上がっており、安倍晋三首相が指示したという。

 関係者によると、安倍首相が6日、党の最高意思決定機関である総務会のメンバーで、超党派の「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟」会長の古屋圭司元国家公安委員長と電話で協議し、削除を求めたという。改正案は先月22日に党文部科学部会などで了承されたが、総務会が「まだ理解を得られていない」と部会に差し戻す異例の事態となっていた。

 改正案には利用者を海賊版サイトに誘導する「リーチサイト」の規制も盛り込まれている。文科部会などが文化庁と改めて協議し、違法ダウンロードの対象拡大の項目を削除して今国会に法案を提出するかを検討する。

 改正案は海賊版の被害増加を食い止める目的で、文化庁長官の諮問機関・文化審議会で検討された。現行法では動画と音楽に限定されている違法ダウンロードの対象を、著作権者に無断で公開された漫画や雑誌、小説、写真など全著作物に拡大する。違反した場合は2年以下の懲役か200万円以下の罰金、またはその両方が科されるとしている。

 ただ、スマートフォンなどの画面を画像として保存する「スクリーンショット」に著作物が映り込んだり、ネット上の学術論文を保存したりする行為も対象となり、国民生活への影響も大きいため、文化審議会の小委員会でも反対意見が続出。文化庁は刑事罰の対象を「海賊版と知りながら反復、継続した場合」に限定し、自民党文科部会などの了承を得たが、著作権に詳しい学者や日本漫画家協会などから「もっと対象を絞り込むべきだ」と見直しを求める声が上がっていた。【伊澤拓也】

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