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「津波を見て、広島の光景と重なったんだ」。岩手県大船渡市大船渡町の行政書士、千葉匡一(きょういち)さん(92)は、自宅で静かに振り返った。19歳の時、広島に投下された原爆で被爆。長年秘めてきた記憶が東日本大震災でよみがえった。これまで隠してきた被爆体験を知人やひ孫に2年前から語り始めた。「まちが消える悲劇を伝えなくては」。卒寿を過ぎてそんな思いを強めている。【神内亜実】
自宅の外を指さしながら、千葉さんは震災当時に押し寄せた津波の光景を説明すると、高校2年のひ孫、駆(かける)さん(17)が神妙な面持ちで聞いた。千葉さんは「広島で見た焼け野原を思い出したよ」と話した。
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