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「だいじょうぶ」キャンペーン

「自ら確認」特殊詐欺防ぐ 小宮信夫・立正大教授(犯罪学)に聞く

小宮信夫氏

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手口さまざま 判断力に過信、禁物

 1日約1億円。オレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺の被害総額は、昨年1年間で356億8000万円に上った(警察庁調べ)。安心・安全な地域づくりを目指し、2007年にスタートした「だいじょうぶ」キャンペーン(主催・同キャンペーン実行委員会)では、特殊詐欺への注意を呼びかけてきた。生活環境が変わる人が多い新年度を前に、被害に遭わないための心構えを改めて確認したい。【上杉恵子】

     「改元による法改正でキャッシュカードが新しくなるので、カードの返送を」「東京五輪のチケットが当たったので、名義を貸してほしい」。時代に即した特殊詐欺の新たな手口が次々に登場する。

     「城壁都市が発達しなかった日本には、開放的で人を疑わない文化がもともと根づいている」と、立正大学の小宮信夫教授(犯罪学)は話す。「行き過ぎた個人主義のもと、プライバシー保護の概念が行き渡り、他人におせっかいを焼きづらい空気が支配している」。こうした社会背景が特殊詐欺を生んでいると、小宮教授は分析する。

     警察による注意喚起や金融窓口での声かけなど、防止策も強化され効果を上げている。しかし今度は「本当の息子の電話も切ってしまったり、役所からの訪問を門前払いしたりといった、過剰反応による弊害も生じている」(小宮教授)という。「過信と不信の2択では、健全な社会生活を営めない。大切なのは受け身にならず、主体的に考えることだ」と小宮教授は言う。

    <上>犯行グループの構造<下>被害に対する意識

     行政機関の職員を名乗り「ここに電話を」と言われたら、その機関の番号を自分で調べ、電話してみる。「息子」が新しい番号を告げたら、一度は元の番号に連絡してみる。相手のペースに巻き込まれないよう、自ら動くことで、冷静さも取り戻せる。

     電話をする「かけ子」、現金を引き出す「出し子」、受け取る「受け子」、人手を集める「リクルーター」など犯行組織が肥大化する中で、知らない間に犯罪者となる若者も後を絶たない。警察庁によると、特殊詐欺で昨年検挙された少年は754人で、前年比1・5倍。割のいいアルバイトの募集元は実在する団体なのかなど、自ら調べることが大切だ。

     自分で確認する判断力がある人は、そもそもだまされないのではないか--。しかし、警察庁が昨年8~11月に行った調査では、「自分は被害に遭わないと思っていた」と回答した人が、実際の被害者では78・2%に上るが、自分で見破り免れた人では56・8%にとどまっている。自身の判断力への過信も禁物だ。

     小宮教授はまた「子どものころからの教育と経験が重要だ」と訴える。「犯罪学や刑罰学をきちんと教えることが被害、加害両方の防止につながる。大きな失敗を回避する力を身につけるには、早い時期に小さな失敗を経験させることも必要だ」

    万一の時も-- 被害者に返金制度 諦めず申し出を

     詐欺に遭ってしまっても、被害金を取り戻せる可能性がある。振り込め詐欺救済法により、犯罪グループが振込先に指定した口座に残高があれば、被害者に返金する制度が用意されている。

     警察と金融機関に被害の申し出があると▽該当の口座の情報が預金保険機構のホームページに掲載され、同じ口座に振り込んでしまったほかの被害者の申し出を受け付ける▽その口座の残高を被害額に応じ案分し、申し出た人に支払う--という手順だ。

     全国銀行協会は「加害者が全額引き出している場合もあるが、全額が戻ってくる可能性もある。被害に遭っても諦めずに、早めに警察や金融機関に申し出てほしい」と呼びかけている。


     □主催

    「だいじょうぶ」キャンペーン実行委員会

    (野田健会長・元警視総監、元内閣危機管理監、原子力損害賠償・廃炉等支援機構副理事長/事務局・毎日新聞社)

     □共催

    全国防犯協会連合会、全日本交通安全協会、日本消防協会、全国防災協会、日本河川協会、日本道路協会、都市計画協会、全国警備業協会、日本防犯設備協会、日刊建設工業新聞社、ラジオ福島、毎日新聞社

     □後援

    内閣府、警察庁、文部科学省、国土交通省、消防庁、海上保安庁、東京都、NHK

     □協賛

    JR東日本、セコム、東京海上日動、トヨタ自動車、みずほフィナンシャルグループ、三井不動産

     □協力

    地域安全マップ協会、プラス・アーツ、情報セキュリティ研究所


     「だいじょうぶ」キャンペーンホームページ(http://daijyoubu-campaign.com) または「だいじょうぶ」キャンペーンで検索


     ■ことば

    「だいじょうぶ」キャンペーン

     犯罪や事故などの「こわいもの」から子どもやお年寄りを守り、自然に「だいじょうぶ」と声を掛け合える社会を目指す運動。ロゴマークは、「行政」「企業・団体」「市民」の三つの輪をかたどり、安心安全の輪を大きくしていきたいという願いを込めている。

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