東日本大震災8年

頑張っぺし 夢でキスした、笑顔の妻へ

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生活する仮設住宅で、家族のアルバムを見つめて笑顔を見せる佐々木一義さん。壁には家族写真が飾られていた=岩手県陸前高田市で2019年3月10日、小川昌宏撮影
生活する仮設住宅で、家族のアルバムを見つめて笑顔を見せる佐々木一義さん。壁には家族写真が飾られていた=岩手県陸前高田市で2019年3月10日、小川昌宏撮影

 初めて授かった我が子を抱く妻の写真をそっと指でなでた。岩手県陸前高田市の仮設住宅で、佐々木一義さん(65)は「カメラを向けると『いいから!』って笑う癖があったよね。懐かしいな」と優しくつぶやいた。相づちを打ってくれるはずの妻を震災で失い、8年を迎えた。

 妻の美和子さん(当時57歳)とは自宅が近く、小中学校も同じだった。レコードを貸し借りした中1のころ、一義さんが恋心を抱き、ラブレターを手渡したが「友達でいましょう」と振られた。

 高校卒業後、一義さんは父が経営していたスーパーを継ぎ、美和子さんは仙台市の歯科医院で助手をしていた。お互いが地元にいる時も言葉を交わさないでいたころのある日、美和子さんから「元気ですか」と電話があった。「ようやく話ができるかもしれない」。一義さんはその夜に仙台駅に出かけて再会。2年間の付き合いを経て「一生守ります」と宣言して結婚した。

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