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被災3県で鎮魂の祈り「何年たっても気持ちは変わらない」

行方不明の妻と3人の子どもに祈りをささげる久保田輔さん(37)=岩手県山田町船越で2019年3月11日午後2時53分、和田大典撮影

 東日本大震災は11日、発生から8年を迎えた。各地で開かれた犠牲者を追悼する行事では、地震が起きた午後2時46分に合わせて鎮魂の祈りをささげた。死者1万5897人、行方不明者2533人、震災関連死も3700人を超え、いまだに約5万2000人が避難生活を続けている。【和田大典、百武信幸、湯浅聖一】

 ■岩手・山田

 「悔しい。何年たっても気持ちは変わらない」。岩手県山田町船越の小谷鳥地区の防波堤で午後2時50分ごろ、福島県いわき市の会社員、久保田輔(たすく)さん(37)は1人、海に向かって手を合わせた。

 8年前、近くの自宅で妻(当時29歳)と長女(同3歳)、双子の次女と長男(同2歳)、妻の母(同60歳)が津波に流された。5人はいまだに見つかっていない。地区では毎年、遺族が港に集まって慰霊しているが、今年は悪天候のため中止となった。久保田さんは「冷たい海に流された妻や子どもたちのつらさに比べたら、こんな雨風はたいしたことない。今日はやっぱりここに来たかった」と涙ぐんだ。

 ■宮城・石巻

 津波で甚大な被害を受けた宮城県石巻市雄勝(おがつ)地区。牧野陽紗(ひさ)さん(21)は、この日除幕された地区の慰霊碑に母まり子さん(当時40歳)の名を見つけると、雨の水滴をぬぐうようにそっと、指でなでた。「母が今の姿をどこかで見ていてくれたら」

 慰霊碑が建てられたのは、入院患者と職員64人が犠牲になった市立雄勝病院の跡地。まり子さんもここで勤務中に亡くなった。牧野さんは9日、専門学校を卒業。この春から柔道整復師として、市内の整骨院で働く予定だ。「最後まで患者と一緒にいた母のように、寄り添える人になりたい」と誓った。

 ■福島・大熊

 東京電力福島第1原発事故による避難指示が、今春にも一部地域で解除される福島県大熊町。町民有志が避難先の同県会津若松市内で復興祭を開き、キャンドルを前に黙とうした。

 山本三起子さん(68)は町に戻れないと思い、会津若松市に移住することを決めた。しかし、大熊町の自宅は国が除染とインフラ整備を進める特定復興再生拠点区域に認定された。2022年春までに避難指示が解除される見通しとなり、気持ちは揺れる。「解除によって復興が加速する一方で、古里に戻れない人は忘れ去られそうな気がする」と、複雑な心境を吐露した。

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