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私の記念碑

落語家 桂吉弥/2 ほんまにうどんを食う

約20年前、師匠の桂吉朝(右)親子と。左が吉弥=本人提供

 「かぜうどん」の舞台はしんしんと冷えた冬の夜。描写力の高さに定評のあった、師匠の桂吉朝が得意とした噺(はなし)の一つだ。「なんておいしそうにうどんを食べるんやろう。過度な演出はしてないのに、なんて面白いんやろう」。憧れの一席を、桂吉弥が実際に教わったのは入門10年を迎える頃。「どうやったらうまいことできるか言うたろか」。稽古(けいこ)の際、吉朝はそう言うと「ほんまにうどん食うこっちゃ」と続けた。一瞬戸惑ったが、思い当たることがあった。「時うどん」を演じた際、客に「面白いけど、吉弥さんのは熱々のうどんじゃないね」と言われたことがあったのだ。「熱いだしなら、いきなり飲まない。そういうことをいろいろ考えながら実際に食べてみろ、ということですよね」

 言葉と仕草だけで、現代人になじみのないうどん屋の屋台や夜の家並みを想像させなければならない。噺にわかりやすい起承転結もない。苦手意識のあった酔っ払いも登場し、自分のものにするのに5年ほどかかったという。「自分でも情景が一つ一つ見えて楽しんでやれるようになって、やっとお客さんに伝わるようになりました」。記憶に残るのは2010年の「博多・天神落語まつり」。客席の反応に手応えを感じ高座を降りると、共演…

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