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社説

2021年度以降の復興庁 次に来る大震災も射程に

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 東日本大震災の復興行政を中心的に担う復興庁の将来像が震災発生8年にあたり、議論になり始めた。

     政府が設定した10年の復興期間が終わる2021年3月に、復興庁も設置期限を迎えるためだ。

     津波や、東京電力福島第1原発事故などの被害を受けた被災地の状況は地域によって大きく異なる。復興庁はさまざまなニーズに一元的に対応するために設置された。

     津波浸水地の高台造成や復興住宅など、ハード整備は期間中におおむね終了する。だが、高齢化に伴う孤独死対策などきめ細かな生活支援の必要性は増している。

     福島の復興は長期化している。故郷を離れた被災者の帰還や、原発立地自治体などのまちづくりの道のりは長く、行政需要も膨大である。

     政府は21年度以降も後継組織を置くことを決めた。被災地の状況を踏まえれば当然の措置である。

     ただ、単なる後継組織ではなく、将来の巨大地震に備える体制も議論すべきだ。

     日本は巨大地震のリスクと隣り合わせであることを、東日本大震災は改めて思い知らせた。首都直下や南海トラフなど、国の存亡に関わるような地震が今後30年以内に高い確率で発生することが予想されている。

     現在、大災害が発生した際の初動対応は首相官邸があたっている。

     内閣府は防災計画の策定や災害後の復旧が任務で、各府省が必要に応じて業務を分担している。だが、内閣府の防災部門は各府省の寄せ集め組織で、機能は脆弱(ぜいじゃく)である。

     緊急事態への対応は首相官邸の役割だ。大災害の初動は官邸が担うことが現実的だろう。

     ただし、それ以外は行政が総合的に対応できる体制が必要となる。とりわけ、綿密な防災計画を練り、自治体などと調整する機能が重要だ。東北の復興に加え、今後起こり得る天災に備える「復興・防災省」へと拡大再編すべきではないだろうか。

     いまの復興庁が、官庁の縦割りを排除できなかった反省を踏まえる必要がある。防災を口実に公共事業にお墨付きを与えるような組織にしてはならないことは言うまでもない。

     強い権限を持った組織を作るには政治主導が欠かせない。安倍内閣が国民を守る決意を示す時である。

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