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第94回センバツ高校野球

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悲願へ聖陵

春再び 支える人/中 トレーナー福田俊介さん プロ指導、実績生かす 練習中に大豆や煮干し「補食」 /愛媛

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松山聖陵のウエートトレーニングを指導する福田俊介さん(右)=松山市久万ノ台の同校で、遠藤龍撮影 拡大
松山聖陵のウエートトレーニングを指導する福田俊介さん(右)=松山市久万ノ台の同校で、遠藤龍撮影

 「左の脇腹が痛くなると思う。踏ん張って耐えて」「背中の真ん中にゆっくり意識を持って深呼吸を繰り返して」--。昨春完成したウエート場には連日選手たちを指導する大きな声が響く。昨年から同校でトレーナーを務める福田俊介さん(35)だ。週3回ほど学校に通い、ウエートトレーニングの指導をする。「野球の適応能力や体の動きにすごいなと思うこともあるが、まだまだ高校生で可愛らしい部分もある」とほほ笑む。

 松山市を拠点に個人のスポーツトレーナーとして活動し、2016年リオ・パラリンピックの柔道(視覚障害)銅メダリスト広瀬順子選手やプロゴルファーなどをサポート。県内外の大学高校などでの指導実績も多い。自身は愛光高時代に始めたラグビーでスポーツに目覚め、同志社大アメリカンフットボール部で活躍。右膝の靱帯(じんたい)断裂も経験した。地元に戻ってきて経験や知識を生かそうとトレーナーになった。

 就任してすぐ練習風景が変わった。選手たちが一人二人と練習の合間にグラウンドやウエート場の端に置かれたケースに走り寄ってくる。ケースの中は大豆や煮干し。空腹を感じた選手たちがつまみに来ているのだ。選手たちの食生活を調べて、カルシウムやタンパク質が不足していることに気づき、筋肉づくりなどに効果的な摂取ができる練習中の「補食」を提案したという。「食は体作りの基本です」と食事指導にも力を入れる。

 心がけるのは積極的なコミュニケーション。選手たちの体調の変化にも気づくことができるからだ。「誰にでもフレンドリーで困ったことがあっても何でも話すことができる」(松元樹一選手)と選手からの信頼も厚い。大会前は体調が悪くても口にする選手が少なくなるといい、特に気にかける。甲子園にも同行する予定で「試合で思い切り戦ってもらえるように選手たちの調整をサポートしたい」と力を込めた。【遠藤龍】

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