メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

記者の目

長期化する仮設住宅暮らし 災害救助法の柔軟活用を=高尾具成(阪神支局)

「災害公営住宅での新生活を楽しみにしていたのにね。主人は亡くなりました」。岩手県大槌町の仮設住宅で、80代の女性はそう話していた。今は災害公営住宅に暮らす=2017年3月7日、高尾具成撮影

 ◆高尾具成(ともなり)

 東日本大震災の発生から8年。福島、宮城、岩手の各県では今も多くの被災者が、応急仮設住宅という困難な環境下での生活を強いられている。仮設住宅での生活の長期化を考える中で、災害救助法の運用が適切であれば、被災者はもっと手厚く保護されたのでは、との思いが膨らんだ。仮設住宅での暮らしが続く人々への新たな対応と、今後の大規模災害での生活再建には、被災自治体が被災者目線で同法にある「特別基準」を活用することが必要だ。

 阪神大震災(1995年)の仮設住宅は約5年でゼロになった。当時、この欄で「災害時の住宅施策は、『人』主体の多様な選択肢を持ったものを」と提起した。5年の仮設住宅暮らしでも、狭い居住空間や不慣れなコミュニティーの影響で、孤独死やアルコール依存、家庭内暴力などが問題化したからだ。

 三陸沿岸部の被災地では、高台造成の遅れなどを理由に、来年3月まで仮設住宅の延長が決まった所がある。岩手県釜石市の仮設住宅で暮らす藤井モト子さん(85)は「体の不調も出始めました。元気なうちに帰りたいですよ」と古里での再出発を待ち焦がれる。津波で弟夫妻を亡くし、薄っぺらな屋根や窓を風雨が揺らす住宅で仏壇に合掌し、8年近くを過ごしてきた。

この記事は有料記事です。

残り1505文字(全文2030文字)

コメント

投稿について

読者の皆さんと議論を深める記事です。たくさんの自由で率直なご意見をお待ちしています。

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

利用規約

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 園児20人、保育士2人感染 東京・文京区の保育園 22日まで臨時休園

  2. どこへGo Toすれば… 外出配慮?旅行? 都民惑わす政策のちぐはぐ

  3. 「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」 ツイートが大反響を呼んだ三つの視点

  4. 連日200人超は第2波か 保健所「手いっぱいだ」 病院「もう少し先か」

  5. 沖縄米軍基地で45人の集団感染 知事、米軍に感染者数公表、一部封鎖求める

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです