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忘れられた高齢者

知的障害のある彼や彼女たちはどんな時代を、どう生きてきたのか。障害者の高齢化問題にいち早く取り組んできた「のぞみの園」を舞台に報告する。

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忘れられた高齢者

/1 教育奪われ施設でずっと

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職員にひげをそってもらう泰夫さん(右)。座っているソファは、室内を歩き回って疲れた泰夫さんが休憩するための定位置だ=群馬県高崎市で
職員にひげをそってもらう泰夫さん(右)。座っているソファは、室内を歩き回って疲れた泰夫さんが休憩するための定位置だ=群馬県高崎市で

 <くらしナビ・ライフスタイル>

 ●障害者が認知症に

 2010年2月。重い知的障害がある泰夫さん(67)=仮名=の言動は、この時期を境に、目に見えて変化し始めた。

 ソファに座ってただぼんやりとし、言葉を掛けても以前と違って反応が鈍い。時折、室内をぐるぐると徘徊(はいかい)する。それは夜も続き、一度始めると自分では止められなかった。4カ月後。磁気共鳴画像化装置(MRI)検査などの結果、異変の理由が判明した。アルツハイマー型認知症だった。

 群馬県高崎市街を見下ろす観音山の山中に広がる国立重度知的障害者総合施設「のぞみの園」(同市寺尾町)。埼玉県生まれの泰夫さんは、日本が高度経済成長に沸いていた1971年の夏、開設間もない園に19歳で入所した。以来、青年期も壮年期も、そして今もここで暮らす。

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