メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

その名も「ほなやろ課」 障害者雇用、積極的に LCCピーチ

手話を交え、仕事の話をするピーチ・アビエーションほなやろ課の黒木均課長(左)と安藤紘子さん(手前右)=関西国際空港で2019年2月19日、平川義之撮影

 関西国際空港を拠点にする格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションが、特別支援学校からの転職組の経験を生かし、障害がある人の雇用を進めている。その名も「ほなやろ課」。「障害がある人もない人も一緒に気軽に働けるように」との思いを込め、昨年9月に発足した。サポート役の同僚と一緒に個々の特徴を生かした働き方を見つけ、空の旅を支える「戦力」になっている。

 1日で就航7周年を迎えた同社。オフィスには課の仕切り壁はなく、座る席も決まっておらず、多様な経歴や国籍の社員がともに働く。そんな中に、ほなやろ課はある。課長以下、障害者15人を含む19人体制。障害者雇用促進法が定める障害がある人の雇用率は、操縦士や客室乗務員数を含めても3%(2月1日現在)に達し、民間企業や国・地方公共団体の基準(2.2~2.5%)よりも高い。

 「隣に座った同僚が、障害がある人だったりない人だったり。急に手話でにぎやかな議論が始まることもある」と課長の黒木均さん(33)は話す。課の業務は、社員の名刺作製やパイロットらの制服の管理、航空機の整備記録の保存、と幅広い。ある20代の女性社員は音声だけで話の内容を理解するのが苦手だが、写真付きのマニュアルを活用し、メモを具体的に取るようにするなど工夫している。女性は「障害があるからといって単一な作業ではなく、いろいろな仕事に挑戦できるのがうれしい」と話す。

 黒木さんは出身地の九州で約10年間、特別支援学校の教諭を務めた経歴を持つ。自身の兄は重度障害があり、進路の選択が限られた。母ら親たちの「この子を置いて先に死ねない」という切実な思いが、黒木さんを動かしてきた。「社会に出て、障害があってもやりがいを持って働ける場を増やしたい」と昨年4月、ピーチに入社した。

 幼い頃から耳が聞こえない安藤紘子さん(31)も、特別支援学校での指導経験がある。同僚は、安藤さんと字幕翻訳アプリを介してミーティングをするうちに手話を覚えた。サポート役を任される安藤さんは「いろんな社員がいて、その中に障害がある人がいる。特別な存在ではない環境になれば」と願う。

 黒木さんは、障害のため苦手なことを「課題」とは見ない。持っている力を発揮するために「休憩」の大切さを伝える。「うまく行動するための『自分の取り扱い説明書』を見つけましょう」と語り、地域の特別支援学校からの実習も積極的に受け入れている。

 近い将来、機内の清掃の一部を担い、より一層、桃色の飛行機に愛着を感じてもらいたいと思っている。黒木さんは「障害があってもなくても、それぞれが会社にとっていなくては困る人。そのままでちゃんと輝いている、戦力です」。【蒲原明佳】

おすすめ記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 10代前半の死因、自殺が1位 若者対策が喫緊の課題
  2. 羽生、魂の演技でフリー200点、トータル300点超え
  3. ORICON NEWS 中居正広、3年半ぶり『ワイドナショー』出演 松本人志「変な感じ」
  4. 「皇帝」の演目演じきった羽生、300点台の2位にも「負けは死も同然」
  5. 「4回転半は試合で飛ばないと意味ない」羽生結弦の一問一答(下)

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです