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第103回全国高校野球選手権

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起こせ啓新旋風

センバツ2019 支える人々/中 会話重ね選手をケア 理学療法士・輪内健二さん /福井

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啓新の選手とコミュニケーションを取りながらマッサージする輪内健二さん=福井市文京4で、塚本恒撮影 拡大
啓新の選手とコミュニケーションを取りながらマッサージする輪内健二さん=福井市文京4で、塚本恒撮影

 <第91回選抜高校野球>

 胸にKEISHINと入るグレーのジャンパー。太い黒縁の眼鏡の奥で弧を描く目が優しい。12日、福井市文京4にある啓新の硬式野球部寮「天啓寮」。寮内の食堂に設置された簡易ベッドに選手を座らせ、輪内健二さん(34)がマッサージを始めた。「足の裏に張りはない?」「ちょっと屈伸してみよう」。積極的にコミュニケーションを図り、選手たちの状態を把握するチームのトレーナーだ。

 理学療法士として、普段は市内の総合病院で患者のリハビリに付き添う。啓新でトレーナーを始めたのは、創部3年目の2014年のことだった。腰の痛みを訴えて来院し、リハビリを手がけた選手からトレーナーがいないと聞いた。使命感がわいた。「病院でするリハビリと練習や試合後のケアは別物。継続して選手たちを見てやれるのは、自分しかいないのではないか」

 当時の監督に直談判してトレーナーに就くと、同僚の宮下康輔さん(29)を伴って週に1度の頻度で寮へ通った。無償で施術するボランティアだが、合宿や大会に同行することも。熱を持って選手たちと接する背景には、自身も白球を追いかけた青春の頃があった。

 野球少年だった。進んだ金津高校(あわら市)で甲子園は見果てぬ夢に終わったが「野球に関わる仕事がしたい」と理学療法士を志した。ユニホームを脱いで15年以上が過ぎたが、自らの経験から、選手たちの思いを敏に感じることもあるという。

 「試合に出たいがために痛みを隠し、大会が近くなると体の違和感を軽視する選手もいる」。それだけに、マッサージを施す際は細心の注意を払う。柔和な笑顔のまま選手に接し、何気ない会話と相手の表情から異常を見抜く。故障の予防やけがの回復につなげることを心がけている。

 センバツに向けてチームが大阪入りした後も、現地に通って選手たちのケアを続けるつもりだ。「甲子園は特別な場所。健康な状態で思い切り野球を楽しんでほしい」とエールを送る。

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