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社説

ゴーン後の3社連合 小異より大局を見据えて

 日産自動車と仏ルノー、三菱自動車が3社連合を統括する会議体を新たに設ける。

     日産前会長のカルロス・ゴーン被告に権力が集まっていた体制を見直し、3社トップによる合議制で企業統治や連携の強化を図る。

     前会長の逮捕から約4カ月がたった。次世代車の開発競争に勝ち残るには、この間にぎくしゃくした連携関係の再構築を急ぐ必要がある。

     新設する会議体は日産の最高経営責任者(CEO)、ルノーの会長とCEO、三菱のCEOの4人が中心になり、議長はルノーのジャンドミニク・スナール会長が務める。

     日産とルノーの間では、資本関係や人事などを巡って思惑の違いが表面化していたが、スナール会長は日産会長職を求めず、歩み寄りの姿勢を示した。

     両社の経営統合問題については、スナール会長、日産の西川広人社長兼CEOとも、先送りする意向を示した。当面、実務面での連携強化を優先する考えだろう。

     実際、経営統合を巡ってさや当てを続けている余裕はないはずだ。

     販売台数の合計で世界2位の3社連合は、部品などを一括購入することでコスト競争力を高めてきた。関係が崩れれば、そうした購買力も損なわれる。

     自動車業界は電動化や自動運転などの技術開発を巡り、激しい競争を繰り広げている。情報技術など異業種も巻き込んだ合従連衡も進む。そんな中、連合の総合的な指揮官を4カ月も欠いたのは痛手だ。

     新たな会議体では、「集団指導体制」で3社の融和を図りながら、提携の深化を図ることになる。

     もっとも、融和は大事だが、全会一致を原則とする会議体では意思決定に時間がかかる恐れは拭えない。

     さらに心配なのは、ルノーの筆頭株主である仏政府の介入だ。資本面で優位に立つルノーは、収益面では日産に依存する。経営統合でルノー優位を固定する狙いがあるようだ。

     しかし、経営統合への日産側の抵抗は強く、問題が表面化すれば連携関係は大きく揺らぎかねない。

     各社にとって最適な連携の形を見いだすためには、思惑違いの小異を乗り越え、業界での勝ち残りという大局を見据える必要がある。

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