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パラアスリート交差点2020

変化を恐れない 金メダル、かっこいい=競泳・山田拓朗

 世界選手権代表選考会を兼ねた春季記録会が2、3の両日、静岡県富士水泳場で行われ、男子50メートル自由形(運動機能障害S9)で代表に決まりました。2016年のリオデジャネイロ・パラリンピックで銅メダルを獲得した得意種目です。自己ベストはリオ大会でマークした26秒00で、記録更新を目指します。

     僕は昔から居心地の良い状態に満足することが好きではありません。常に新しいことにチャレンジしていきたいと思う性分です。リオ大会での泳ぎを研ぎ澄ますよりは、ゼロから作り上げていきたいと思います。僕は変化を恐れない。それでコラムのタイトルに選びました。

     水泳を始めたのは3歳の時でした。水を怖がっていたので少しくらい泳げるようになればと、両親がスイミングスクールに連れて行ったらしいです。

     僕の中では「水が怖い」という記憶は全くなく、泳ぐのが得意だと思っていました。健常者の子どもに交ざって選手コースに進級したり、両親の知人が関係者にいた障害者競泳のチーム「神戸楽泳会」の練習会に参加したりしていました。

     神戸楽泳会では、今でも鮮烈な思い出があります。チームの先輩である酒井喜和さんが、00年シドニー大会の男子100メートル背泳ぎ(視覚障害)で獲得した金メダルを見せてくれたのです。すごくかっこよくて金メダルがほしいと思いました。今思えば、それがパラリンピックを目指す原点だったのかもしれません。

     パラリンピックの魅力とは何か。初めて出場した04年アテネ大会のことを思い出します。ある程度水泳をやっていると、「障害の程度からこれくらいの泳ぎはできる」と想像できるものですが、初めて第一線のパラスポーツ選手に触れた時、想像をはるかに超える実力の人がいて衝撃を受けました。その差がパラ競技の大きな魅力で、それを伝えるのが、僕らパラリンピアンの仕事なのかなと思います。

     競技者としては、本当の真剣勝負をできることが何よりも楽しいです。しびれるような緊張感が大好きです。何回出ても魅力の尽きないパラリンピックのために、今日も練習に励みます。(あすは陸上・高桑早生です)(タイトルは自筆)


     ■人物略歴

    やまだ・たくろう

     兵庫県三田市出身。先天性の障害で左肘から先がない。競泳男子自由形で短距離が専門。パラリンピックには、日本歴代最年少の13歳で臨んだ2004年アテネ大会から4大会連続出場。16年リオデジャネイロ大会は男子50メートル自由形(運動機能障害S9)で銅メダル。NTTドコモ所属。27歳。

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