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米産牛肉輸入に黄信号 セーフガード発動基準迫る

冷凍牛肉の輸入量

 外食用やハンバーグなどの加工品に利用される冷凍牛肉の輸入量が増加し、関税を一時的に引き上げる緊急輸入制限(セーフガード)が発動されるかどうかが注目されている。発動されれば環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を離脱した米国産の関税が引き上げられることになる。4月にも始まる日米貿易交渉で米側の圧力が高まるおそれがあり、関係者は神経をとがらせている。

     吉川貴盛農相は12日の記者会見で、国内に在庫が十分にあるため輸入業者が2~3月は通関を控えるとの見方を示し、「発動する状況にはないと考えるが、輸入業者と情報共有しつつ、輸入動向を注視したい」と述べた。

     世界貿易機関(WTO)ルールに基づくセーフガードは四半期ごとに設定される基準数量(前年同期比17%増)を超えれば自動的に発動され、関税が38.5%から50%に引き上げられる。冷凍牛肉の輸入量は昨年4月~今年1月の累計で30万2796トンとなり、前年度の実績を既に上回っている。2、3月の輸入量が計4万9887トンを超えれば、5、6月は50%の関税がかかることになる。

     しかし、TPP発効国の豪州産やニュージーランド産などにはWTOではなく、TPPのセーフガードが適用される。TPPが定める輸入量の基準まではまだ余裕があるため、関税引き上げの影響を受けるのは、ほとんどが米国産となる。冷凍牛肉のセーフガードは2017年8月に21年ぶりに発動され、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、直後に訪米した河野太郎外相に懸念を伝えた。

     商社などが参加する日本食肉輸出入協会は「前回の発動は会員にとっても『まさか』の出来事だった。わずかな超過で追加関税を負担することになり、苦い思いをした。今回は何とか発動せずに済ませたい」と語る。

     前回のセーフガード発動では、冷凍牛肉の輸入量は2割程度しか減らなかった。国内の畜産農家は牛丼向けなど低価格の牛肉はあまり生産していないため、セーフガード発動の恩恵は少ない。米国産牛肉を輸入する日本にとっては関税負担のデメリットが大きい。

     冷凍牛肉の輸入は国産牛肉の価格高騰に加え、牛丼やハンバーガーなどが人気で増加傾向が続いており、3月末発表の2月の輸入量が注目されている。【加藤明子】

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