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第94回センバツ高校野球

第94回選抜高校野球大会の特集サイトです。阪神甲子園球場での熱戦全31試合をLIVE配信します。

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第91回選抜高校野球

組み合わせ決定 来るぞ平成最後の名勝負

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大会旗を囲み、互いの健闘を誓い合う各校の主将たち=大阪市北区の毎日新聞大阪本社で2019年3月15日、小松雄介撮影 拡大
大会旗を囲み、互いの健闘を誓い合う各校の主将たち=大阪市北区の毎日新聞大阪本社で2019年3月15日、小松雄介撮影

 <2019 第91回センバツ高校野球>

 第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の組み合わせ抽選会が15日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールであり、1回戦16試合の対戦カードが決まった。

 昨秋の明治神宮大会準優勝の星稜(石川)と前々回準優勝の履正社(大阪)の対決は1回戦随一の好カード。明治神宮大会王者で初出場の札幌大谷(北海道)は、23年ぶり出場の米子東(鳥取)とぶつかる。過去優勝3回の広陵(広島)は、東北大会を制した八戸学院光星(青森)との顔合わせとなった。21世紀枠の3校は熊本西が前回準優勝の智弁和歌山、富岡西(徳島)が大会最多タイの4回優勝を誇る東邦(愛知)、石岡一(茨城)は盛岡大付(岩手)とそれぞれ対戦。いずれも強力打線のチームに挑むことになった。

 大会は兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で23日に開幕し、休養日1日を含む12日間の日程。出場32校の甲子園練習は18日から3日間行われる。【安田光高】

初日から星稜×履正社

 ○…3季連続出場で優勝候補の星稜は、過去5年間で準優勝2回の履正社との強豪対決になった。主将・山瀬は「強豪に当たっちゃったなという感じ。でも、初日に合わせて調整してきたので」と前向き。8強に入った前回は初戦最後の登場で、次戦以降が連戦になっただけに、試合間隔に余裕のある組み合わせにホッとした様子だった。星稜は右腕・奥川、履正社は左腕・清水と好投手を擁しており、星稜・林監督と履正社・岡田監督は「ロースコアの接戦になる」と口をそろえた。履正社の主将・野口は「奥川投手は完璧に近い。球を見ていくと簡単に追い込まれるので、積極的に振っていきたい」と攻略策を練っていた。

宣誓、意外に初?

 ○…選手宣誓に決まった広陵の主将・秋山は「びっくりしている。人前が苦手なので避けたかった」と苦笑し、戸惑いを隠せない様子。宣誓文に入れたい言葉は思いつかないというが、「これから時間があるので、しっかり準備したい」と気を引き締めた。中井監督に「光栄なこと。センバツで選手宣誓をするのは、広陵の歴史の中で初めてのことでは」と指摘され、過去優勝3回のチームの主将として「広陵の名に恥じない選手宣誓をしたい」と誓った。

開幕は市立対決

 ○…開幕カードは市立校対決となった。市和歌山は初出場だった第36回大会(1964年)以来の開幕試合。主将・米田は「避けたかった」と苦笑しつつ「同じ公立校として負けられない。うちは投手中心の守りのスタイルで接戦を勝ちたい」と力を込めた。一方、2回目の出場の呉は2年前も開幕試合に登場して延長戦を制しており、中村監督は「観客が多いし、一番いい雰囲気でできる」と余裕の表情。「接戦をものにしたい」と相手と同じ試合展開を思い描いていた。

前回準Vに挑む

 ○…21世紀枠の熊本西は1回戦最後の試合で前回準優勝の智弁和歌山に挑む。エースの主将・霜上は「力で勝てない分、チームワークの良さで勝てれば」と意気込んだ。全校生徒のほとんどが応援に来る予定といい、横手監督は「ワクワクしている。泥臭く向かっていければ」と笑顔。一方、昨年8月に就任した元プロの智弁和歌山・中谷監督は第68回大会(1996年)に2年生捕手として出場し準優勝。23年ぶりのセンバツに「平常心でいきたい」と強調。熊本西について「まだ相手のイメージはないが、幸いにも第6日なので時間がある」とじっくり分析する構えだ。

続くか全国制覇

 ○…札幌大谷の主将・飯田は「初戦の相手が決まって気持ちが高まってきた」と晴れやかな表情。昨秋は投打がかみ合って公式戦12戦無敗を誇ったが、「勢いだけで勝った」と受け止め、計17失策の守備陣をひと冬かけて立て直してきた。昨秋の明治神宮大会に続く「全国制覇」も期待されるが、「甲子園は初めてなので、まずは初戦突破」と目標を掲げて「米子東を研究したい」と気持ちを引き締めた。選手56人の札幌大谷に対し、米子東は16人と少数精鋭。主将・福島康は「部員の多い少ないは関係ない。まとまって戦い、後半勝負に持ち込みたい」と必勝を期した。

左腕攻略任せろ

 ○…22年ぶり出場の春日部共栄は高松商の技巧派左腕・香川の攻略に自信を示した。昨秋の関東大会2回戦で横浜の好左腕・及川を打ち崩しており、植竹監督は「うちは左打者が多いが、左投手を苦にしない」と豪語した。チームは1993年夏の甲子園で準優勝したが、近年は埼玉勢の中で第85回大会(2013年)優勝の浦和学院、17年夏の甲子園を制した花咲徳栄などの陰に隠れている。主将・石崎は「昔は埼玉といえば、春日部共栄だった。もう一度、強いところを見せたい」と巻き返しを誓った。

平成最後、V宣言

 ○…単独最多5回目の優勝を狙う東邦は富岡西と当たる。森田監督は21世紀枠校との対戦に「初めて」といい、相手について「(今大会出場選手中)最高打率の選手がいるとか。何も分からない」と首をかしげた。それでも、大会の目標は「優勝しかないと思ってやる」ときっぱり。チームの最後の優勝は平成の始まった第61回大会(1989年)で、主将でエースの石川も「平成最初に優勝したので、平成最後も自分たちが締めくくりたい」と宣言。初戦で勢いに乗りたい。

恩師と対戦実現

 ○…春夏通じて初出場の啓新は昨秋の関東大会王者・桐蔭学園との初戦を引いた。相洋(神奈川)出身の植松監督は桐蔭学園・松本部長の相洋勤務時代の教え子で、対戦を望んでいたという。「高校時代は桐蔭学園に練習試合でけちょんけちょんにされた。甲子園で対戦できて光栄」と笑い、「相手は打線が良いと聞く。うちの投手がどこまでしのげるか。私も楽しみ」と期待した。主将・穴水は「まず1勝し、応援してくれる人に恩返ししたい」と力を込めた。


 ◆Aゾーン

好投手そろった

 好投手が集まった。星稜-履正社は最大の注目カード。星稜の右腕・奥川は最速150キロの直球を内外角に制球良く投げ分け、完成度が高い。昨秋の近畿大会4強の履正社は公式戦10試合で11本塁打と長打力があり、今大会ナンバーワン投手との対決は見ものだ。

 春日部共栄はエース右腕で4番の村田の出来が鍵を握る。最速147キロを誇り、打撃でもミート力がある。四国王者の高松商の左腕・香川は多彩な変化球を武器に粘り強い投球が身上。習志野の右腕・飯塚は救援として安定感がある。呉の右腕・沼田仁は昨秋9完投とスタミナ豊富だ。

 ◆Bゾーン

左腕及川に注目

 横浜の左腕・及川は最速153キロの直球を主体に三振を量産する。チーム打率3割7分5厘の明豊打線は速球に強く、手堅い攻撃もできて重圧をかける。昨秋の近畿大会王者の龍谷大平安は水谷、奥村の中軸を中心にしぶとい。最速148キロの直球を持つ津田学園の右腕・前は辛抱強く投げられるか。

 札幌大谷は長身右腕・西原と右横手・太田を擁し、投手力が強み。米子東は力強いスイングで対抗したい。盛岡大付は打線につながりがあり、機動力もあって得点力が高い。石岡一は最速147キロ右腕・岩本がどれだけ踏ん張れるかが鍵だ。

 ◆Cゾーン

地区王者が4校

 昨秋の地区大会優勝校が4校入った。中国大会優勝の広陵は右腕・河野、左腕・石原ら投手層が厚い。東北王者の八戸学院光星は中軸の武岡、近藤の勝負強さが光る。両校とも昨夏に続く甲子園出場で経験値も高く、好勝負が期待される。

 東海大会を制した東邦は出場校トップのチーム打率3割8分6厘と強力打線。富岡西の右腕・浮橋は打ち気をそらす投球をしたい。

 九州大会優勝の筑陽学園は右腕・西舘らの継投でしのぐ。福知山成美も右腕・小橋が打たせて取るタイプで、投手戦になりそう。山梨学院と札幌第一の強力打線対決も注目だ。

 ◆Dゾーン

打力で桐蔭学園

 昨秋の関東大会優勝の桐蔭学園は3番・森が長打力と勝負強さを兼ね備えた左の好打者。4番・上川、5番・川久保も勝負強い。攻撃力で劣る啓新は投手陣の奮闘が不可欠。右上手のエース・安積から右横手・浦松への継投がポイントだ。

 智弁和歌山は打線に切れ目がなく、集中打で大量点を取れる。熊本西はノーサインでの盗塁など積極的に仕掛けて先手を取り、活路を見いだしたい。明石商は完投能力のある中森、宮口の両右腕を擁し、国士舘は白須、山崎の両右腕の継投が基本。ともに打線がしぶといだけに、粘り強い投球が求められる。

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