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第94回センバツ高校野球

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飛翔

センバツ山梨学院 第2部・支える/6止 学生コーチ・北村開さんと近藤涼太さん 指導者になる夢追って /山梨

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山梨学院の学生コーチの北村開さん(左)と近藤涼太さん=甲府市で、金子昇太撮影 拡大
山梨学院の学生コーチの北村開さん(左)と近藤涼太さん=甲府市で、金子昇太撮影

 <第91回選抜高校野球>

「引退後も野球部の一員」

 山梨学院野球部の3年生18人は昨夏の甲子園出場後に引退した。しかし、新チームには今も2人の3年生が帯同している。北村開さんと近藤涼太さん。指導者になる夢を追って、学生コーチとして選手たちと接している。

 2017年12月。当時2年生だった北村さんは、吉田健人コーチを通じて吉田洸二監督から「高校野球の指導者、やりがいあるよ」と誘われた。卒業後は、プレーヤーとして野球を続けるつもりはなかった。ただ、野球に携わりたいという気持ちが心の中にあり「将来やりたい仕事が決まったと思った」という。

 近藤さんは入学してすぐ、選手たちのレベルの高さに驚いた。「頭では分かっていても、体で表現できない。このままではベンチ入りは難しい」。行き詰まっていた時に、支えてくれたのが吉田コーチだった。「どの選手にも平等に接してくれていた」。指導者に興味を持つきっかけとなった。

 新チームが発足すると、2人は本格的に選手たちをサポートする仕事を始めた。トスバッティングで球を上げ、キャッチボールの相手を務め、グラウンドに球を転がしてバント処理の練習を手伝った。

 選手にアドバイスを求められることもある。今のプレーは良かったのか、悪かったのか。悪かったとすれば、どう説明すればよいのか--。駆け出しコーチの2人にとって「的確な指導」はまだ荷が重い。練習後、吉田監督が誰に、どのような言葉をかけていたか、ノートにまとめる日々だ。

 センバツ出場は、2人にとって大きな刺激となった。北村さんは「引退後も野球部の一員でいられた気がした」と感じ、近藤さんも「選手と同じ気持ち、同じ喜びが味わえた。間近で成長が見られた」と指導者のやりがいを見つけた。

 2人は教員免許を取得するため、4月から山梨学院大に進学する。後輩たちの活躍を支えに、新たな人生の一歩を踏み出す。【金子昇太】=おわり「引退後も野球部の一員」

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