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東京へ ともに歩む

毎日新聞

美しい演技を披露する高嶋活士と愛馬ケネディ=静岡県御殿場市の御殿場市馬術・スポーツセンターで2019年3月15日午後0時50分、高橋秀明撮影

Passion

馬術で東京パラリンピックを目指す元JRA騎手・高嶋活士

 人馬が一体となって演技を披露する馬術で、2020年東京パラリンピック出場を目指す日本中央競馬会(JRA)の元騎手がいる。落馬事故で引退を余儀なくされた26歳の高嶋活士(かつじ)。「世界に通用するレベルまで技術を上げていきたい。いい成績を残したい」。愛馬のケネディとともに、新たな舞台で世界の強豪に挑もうとしている。

     千葉県出身。11年3月にJRAデビューを果たしたが、13年2月に障害レースで落馬して右半身にまひが残った。リハビリを重ねて復帰を目指したが、15年9月に引退。通算244戦で、未勝利だった。

     引退後に始めたパラスポーツの馬術は、決められた経路を進む際の正確性や動きの美しさなどを競う採点競技だ。高嶋は「普段からよく話しかけている。あとは異変がないか、体の隅々までよく見ている」と、ケネディとの信頼関係を築くことを何より大切にしている。右半身を使っての指示は出しにくいが、代わりに巧みな重心移動で馬を操る。

     17年6月には日本オリンピック委員会の就職支援ナビゲーション「アスナビ」を活用してコカ・コーラボトラーズジャパンに入社。現在は働きながら週6日練習。昨年11月の全日本パラ馬術大会で優勝するなど、トップ選手の一人に成長した。

     開催国枠で最大4人が出場できる日本代表の選考は、静岡県御殿場市で15日に始まった国内競技会でスタートした。初日に優勝した高嶋だが、「馬の動きに元気がなかった」と反省を口にした。244度の敗北の中で培ってきた騎乗技術をベースに、新たな課題を一つ一つ克服する作業が続く。【高橋秀明】

    高橋秀明

    毎日新聞東京本社運動部編集委員。1968年、東京都生まれ。1991年入社。京都支局、鳥取支局を経て、大阪、東京運動部で野球、大相撲、柔道、レスリング、ニューヨーク支局で大リーグを担当。アテネ、トリノ、北京の五輪3大会を現地取材した。2018年4月からパラリンピック報道に携わる。最近の趣味は畑いじり。