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波のまにまに

春先に書をひもとく=戸田栄

 春先は頭がふわふわして、なかなかペンが進まない。サクラの開花を待ちながら、「お酒飲む人 花ならつぼみ 今日もさけさけ 明日もさけ」などと、都々逸のざれ言を口ずさんでいる分にはよいのだが。

 これではいけないと焦るのも、この時期の常。4月から新年度が始まる。心をしずめるため、今年は賢人の言葉を求めることにした。古今東西、あまたの偉人がおられるが、現在に近いところで、丸山真男、加藤周一両氏が頭に浮かび、とりあえず本棚からほこりまみれの丸山氏の選集を取り出し、斜め読みしている。

 しょうもないところに目がいってしまう。「福沢諭吉の哲学」という小論に、福沢が自らをよくうじ虫にたとえていたと書いてある。あの偉人が……とびっくりした。広大無限の宇宙を思えば、「人間の如(ごと)き、無智無力見る影もなき蛆虫(うじむし)同様の小動物にして、(中略)偶然この世に呼吸眠食(みんしょく)し、喜怒哀楽の一夢中、忽(たちま)ち消えて痕(あと)なきのみ」と考えていたのだという。そして、人間のやる…

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