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著者のことば 小松政夫さん 喜劇人の誇りと憂い

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 ■ひょうげもん 小松政夫(こまつ・まさお)さん さくら舎・1620円

 「ひょうげもん」とは博多弁で「ひょうきん者」の意味。「祇園山笠(やまかさ)」で知られる福岡の櫛田神社近くに生まれ、香具師(やし)の口上をまねるのが好きな少年だった。喜劇人として活躍する今に至る道のりをつづった自叙伝だ。

 実家は裕福だったが、父の死後、生活が苦しくなる。役者を志して俳優座の養成所に合格するも、入学金が払えず断念し、職を転々とした。だが、その苦節の日々を語る筆致はとても明るい。「苦労だとは思っていなかったからです」

 車のセールスマンとして成功を収めつつあった21歳の時、ファンだった植木等の付き人兼運転手に応募し合格。芸能界に足を踏み入れた。「営業で培った身だしなみと言葉遣いが好印象だったようです」。睡眠は1週間で10時間という付き人生活を3年10カ月送った後、1967年に独立した。「植木さんの下で働き、さらにデビューのお膳立てもしていただいた。感謝しかありません」

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