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SUNDAY LIBRARY

木村 衣有子・評『酒呑みに与ふる書』キノブックス編集部/編

◆『酒呑みに与ふる書』キノブックス編集部/編(キノブックス/税別1500円)

 『酒呑みに与ふる書』には、エッセーを中心に、少々の詩と俳句と漫画をとりまぜた45篇が収録されている。タイトルどおりの、のんべえたちととことんつきあえるアンソロジーだ。

 素面(しらふ)で眺めた酔っ払いの姿をえがく、小説家の角田光代のエッセーに目がとまる。終電間近の夜深く、珍しく飲まずに電車に乗ったという角田光代は、乗り合わせた数多(あまた)ののんべえの姿に、いつもの自分の姿を見た。酔いと眠気に支配されたひとりひとりの挙動は危なっかしくも、全体には、不思議とのどかな共同体のようだったという。「私は静かな酔っぱらいたちを見て、自分がこの上なくやさしい気持ちになっているのに気がついた」

 ページをめくり、そういう「やさしい気持ち」が感じられる作品は少なくないとも気付いた。そのやさしさを真正面から受け取って、ほのぼのとした心持ちになるのは、自分がのんべえだからに違いない。下戸だったら分からない。

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