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社説

JOC会長が退任表明 自らを律する新執行部に

 来年に迫った東京五輪・パラリンピックに与えるダメージを最小限に抑えるトップ交代にすべきである。

     日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が任期満了となる6月で退任する意向を表明した。五輪招致をめぐる買収疑惑でフランス司法当局の捜査を受け、国外での活動に支障が出ていた。

     国内の競技団体を統括する組織の長として職務をこなせない以上、退任は当然である。

     退任表明の後、竹田氏は「不正はしておらず、潔白を証明していく」と話した。であれば、仏当局の捜査が本格化した1月の記者会見で質疑に応じ、説明を尽くすべきだった。

     一方的に正当性を訴えた7分間の会見はかえって疑念を募らせた。今後は捜査に積極的に協力し、疑惑解明に傾注してほしい。それが東京五輪のイメージ回復につながる。

     一方、退任表明までの動きの中で目に付いたのは、JOCのガバナンス(組織統治)の欠如である。

     JOCは竹田氏の続投を念頭に置き「選任時70歳未満」という役員の定年規定に例外を認めようとした。

     長期にわたり特定の人物に権限が集中することが組織の腐敗につながる。昨年、頻発したスポーツ界の不祥事から学ぶ姿勢が見られない。

     きのうの理事会でも一部の出席者からは続投を望む声が起きた。竹田氏が仏当局の捜査の行方を待つ身であるというのに、危機感のなさには驚くばかりだ。

     今夏発足する執行部は自らを律し、組織を立て直してもらいたい。

     役員の定年延長をめぐっては、スポーツ庁の鈴木大地長官が「再任回数や定年制などの規制はあるべきだ」と発言した。柴山昌彦文部科学相も「組織の新陳代謝を図ることは重要だ」とくぎを刺した。

     民間団体であるJOCの人事に国の意向を反映させれば政治介入になりかねない。そのような発言を許したのもJOCが規律を欠くためだ。

     JOCは1980年モスクワ五輪をきっかけに独立した。当時、日本体育協会の委員会だったJOCは強化費などの予算を握る国に逆らえず、ボイコットを余儀なくされた。

     政治の思惑に振り回された苦い記憶をJOCがなくしては、日本スポーツ界の将来はあまりに暗い。

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