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社説

地方の住宅地価も上昇 投資の過熱に警戒が必要

 国土交通省が発表した公示地価(1月1日時点)は、全国平均で4年連続上昇した。地方圏の住宅地も27年ぶりにプラスに転じ、地価回復の裾野は、着実に広がっている。

     オフィスや住宅、商業施設などの需要の増加が主な要因で、景気の好循環を示すものと評価できる。

     しかし、カネ余りによる投資が地方にも向かい始めており、今後の動向には注意が必要だ。

     全国の最高額は東京・銀座の中心部で、バブル期のピークを4年連続で更新した。上昇率は前年の3分の1に縮小したが、同地点をはじめとした都心部での不動産投資過熱の懸念は消えていない。

     首都圏では地価上昇のあおりで新築マンションの価格が高騰したために、販売が減速するという事態も生じている。なお、警戒は怠れない。

     今回の調査では地価が上昇した地点は、全体の半数近くに達し、地方圏に限っても3割を超えた。気がかりなのは投資資金の動向だ。

     不動産投資を支えているのは日銀の金融緩和政策による低金利だ。あり余る資金は、より高い収益性を求めて地方へと広がっている。

     実際、地方の中核都市である札幌、仙台、広島、福岡の4市は東京、大阪、名古屋の3大都市圏以上の伸び率を示した。

     さらに、県庁所在地などの都市部や、訪日観光客が集まる人気の地域で値上がりが目立った。

     地方の住宅地が上昇に転じたのは、そうした都市部の地価が高騰したことで、その周辺地域の需要も高まったためとみられる。

     もっとも不動産投資を巡っては、東京五輪を挟んだ需要の動向、金利環境など不安要素が拭えない。バブル崩壊の悪夢を繰り返すことのないよう市況を注意深く見守るべきだ。

     一方、今回の調査では地方の中で地価の二極化が一段と鮮明になった。再開発や子育て支援などに取り組む自治体では地価が回復しているものの、人口流出が続く地域では下落が続いている。

     過疎地域では今後、公共サービスの維持さえ困難になりかねない。市街地を限定する必要にも迫られるだろう。地価の動向は、人口減少時代の地方の構造的な問題点もあぶりだしている。

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