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社説

11知事選きょう告示 地域の将来像を競う場に

 11の道府県知事選挙がきょう告示され、統一地方選がスタートする。

     広域行政を担う都道府県知事はかつて国と渡り合うことも多かった。だが、このところ発信力や存在感は薄れつつある。選挙戦を通じて地域の将来像を競い合う場とすべきだ。

     大阪はいわゆる「都構想」をめぐり府知事と大阪市長が辞任し、入れ替わり出馬するダブル選挙となる。この奇策を有権者がどう判断するかがポイントになる。

     夏に参院選が行われるため、与野党の勢いが試される。とはいえ、政党の存在感は乏しい。福岡、福井、島根、徳島で自民系候補の調整がつかず、保守分裂選挙となる。

     一方で野党が統一候補を擁立するのは北海道にとどまり、与野党対決の構図は鮮明にならなかった。旧民主党が解体して初の統一選で、立憲民主党など野党勢も態勢が十分に整っていない。保守分裂が多いのも、野党が脅威にならず自民に「余力」が生じたことの反映だろう。

     国と地方の対等・協力関係をうたった地方分権一括法が制定されてから今年で20年を迎える。かつては改革派を掲げる知事が情報公開などで国にさきがけ、「闘う知事会」として国に分権を迫る時期もあった。

     だが、こうした熱気は冷めてしまったようにみえる。沖縄基地問題では国が沖縄県など地元の意向を無視し続けている。本来であればもっと、全国知事会や地方全体が自らの問題と受け止めてしかるべきだ。

     人口減少問題が日本の将来に深刻な影響を与えることが、国民の共通認識となりつつある中で迎える統一選でもある。今後三十数年で日本の人口は約2600万人減り、1億人を割る見通しだ。いまの東京、愛知、福岡3都県分を合わせた人口がそっくり消えるような激変である。

     安倍内閣は人口減少対策として地方創生を掲げてきた。だが、目に見える効果は上がっていない。

     都道府県が、行政の存続が難しくなった小規模町村の事務を肩代わりするような役割の見直しを迫られていくことは避けられないだろう。

     それだけに、実務的な能力をこれまで以上に知事は求められる。地域のあり方を決めるのは住民だ。国任せではないビジョンを候補者は有権者に語ってほしい。

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