ゲノム編集食品/上 肉厚、栄養価増でも不安
毎日新聞
2019/3/21 東京朝刊
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遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」で生まれる食品が、早ければ年内にも国内で販売される。ゲノム編集によって1・3倍ほど身が厚くなったマダイや栄養価が高いトマトが市場に並ぶことが予想される一方、消費者団体からは安全性に対する懸念の声が寄せられている。
●遺伝子を切り張り
ゲノム編集は生物の遺伝子のうち、狙った遺伝子を切り張りして性質を変えるもの。狙ったところで遺伝子を切断して壊す「はさみ」の役割をするたんぱく質が簡単に使えるようになり、世界中で急速に広がりつつある。
従来の遺伝子組み換え(GM)は、他の生物の遺伝子を種子や受精卵に入れるが、特定の位置を狙えず、求める性質を得るには時間がかかった。中央環境審議会の専門委員である大澤良・筑波大学教授(植物育種学)によると、100万個体作って一つできる程度という。ゲノム編集で確率は大幅に上がる。
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