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平成の事件ジャーナリズム史

元社会部長の小川一が個人的体験を交えながら「平成の事件ジャーナリズム史」を振り返ります。

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(10)「あらゆる法令を駆使した」オウム大捜査

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「あらゆる法令を駆使した」摘発の始まりとなった「オウム防衛庁長官」の逮捕を伝える紙面
「あらゆる法令を駆使した」摘発の始まりとなった「オウム防衛庁長官」の逮捕を伝える紙面

 オウム真理教への一斉捜索が始まった直後の1995年3月下旬、全国の捜査現場に二つの通達が流れました。一つは警察庁からです。「あらゆる法令を駆使した取り締まり」を強く求めるものでした。もう一つは最高検からでした。「信者の事件処理はすべて最高検に報告すること」を求めていました。警察庁はそれまでの慣例にとらわれない摘発を指示し、それを最高検が了解したと受け止められました。後に「オウム大捜査」とも呼ばれる「有事」の捜査が始まったのです。

 この直後の3月30日、国松孝次警察庁長官が銃撃されました。犯人はいまだに不明ですが、当時はオウム真理教の犯行とみられていました。この事件により、捜査現場の緊張は一気に高まり、捜査の慣例にない手法での摘発が続くことになります。

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