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社説

世界で復権目指す囲碁界 若い才能伸ばし底上げを

 世界で戦える強い棋士を育て、囲碁人気を盛り上げてほしい。

     この4月、10代前半の年少プロ棋士が複数誕生する。英才特別採用の仲邑菫(なかむらすみれ)さんが10歳0カ月、女流特別採用の上野梨紗さんは12歳9カ月、通常の採用試験を突破した福岡航太朗さんは13歳3カ月だ。

     なかでも史上最年少プロとなる仲邑さんは、日本棋院が創設した「英才特別採用推薦棋士」第1号だ。

     新制度創設の背景には、1990年代初めごろまで世界を引っ張ってきた日本が、中国、韓国に大きく後れをとっている現状への焦りがある。台湾も成長している。全7冠制覇を2度達成した本因坊文裕(もんゆう)(29)=井山裕太九段=でさえ、トーナメントによる国際棋戦の優勝は2013年のテレビアジア選手権のみだ。

     今月、東京・日本棋院で打たれた「ワールド碁チャンピオンシップ」は日中韓のトップ棋士8人が本戦を戦ったが、日本からシード出場した文裕、張栩(ちょうう)名人はいずれも決勝にコマを進められなかった。

     今回初導入の国際予選でも、年齢制限のない一般枠で参加した日本の棋士すべてが初戦で敗れた。

     中韓の強さは、幼少のころからの英才教育の成果といわれる。活躍できるのは10~20代で、30代に入るとピークを越えたと見なされるほど才能の若返りが著しい。

     今回の日本棋院の英才枠は、特別な才能を持つ小学生を早くからプロと対戦させて勉強や研究の環境を整え、世界で戦える強さに育てようという戦略だ。

     囲碁人気の拡大も課題だ。かつては1000万人といわれた日本の囲碁人口は、190万人(「レジャー白書2018」)に落ち込んだ。将棋の700万人(同)に比べても圧倒的に少ない。

     将棋界で藤井聡太七段が大きく貢献しているように、実力のあるスターが活躍すれば関心が集まる。棋士を目指す人も増え、ひいては全体の底上げにもつながるだろう。

     仲邑さんは韓国の道場で腕を磨き、韓国語も堪能という。囲碁を通じての国際交流にも期待がかかる。

     彼らがどう世界で活躍するのか。話題性だけでなく、若い才能を伸ばす環境整備は周囲の大人の役割だ。長い目で見守っていきたい。

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