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社説

安倍政権の景気判断 世界と違う不自然な楽観

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 世界経済が悪化する恐れが強まっているのに、安倍政権の楽観的な景気認識は不自然ではないか。

 政府は3月の月例経済報告で最新の景気判断を示した。中国の景気減速が日本の輸出や生産を弱めたとの表現を加えて判断を3年ぶりにやや下げたが、根幹の「緩やかな回復が続いている」との判断は維持した。

 これに先立ち内閣府は景気判断の重要な材料となる指標を発表し、生産などが大きく落ち込んで景気は後退している可能性があるとの認識を示した。だが今回の報告は後退を認めず「回復」を公式見解とした。

 気になるのは後退と回復という正反対の見方が併存していることだ。

 1月の月例経済報告は「景気拡大が戦後最長となった可能性がある」との見方を示した。後退なら最長は幻となる。統一地方選に続き参院選も控える中、安倍政権に痛手だ。

 政府はさまざまな指標を総合して景気を判断すると説明している。そこには政府の裁量の余地があるとエコノミストから指摘されてきた。

 菅義偉官房長官や経済関係閣僚は「回復基調は変わっていない」と強調する。政府に後退を示唆する指標があるのに、回復だけアピールするのは、アベノミクスへの批判をかわす狙いとみられても仕方がない。

 政府は回復の理由に消費が底堅いことを挙げる。だが日本経済を支えたのは米国など海外の堅調な景気だ。国内は賃金が伸び悩み消費は停滞が続く。海外の悪化を補う力は乏しく、政府の説明は説得力を欠く。

 日銀も同様だ。先週、景気判断をやや弱めたが、「緩やかに拡大している」との根幹部分は維持した。

 対照的に米欧の中央銀行は景気への警戒を強めている。米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)は年内の利上げ見送りを決めた。米中貿易戦争という異例の事態に直面しているからだろう。

 政府・日銀には、中国が景気をてこ入れして今年後半には回復するとの期待があるようだ。だが米中貿易協議が不調に終われば世界経済の悪化は深刻になる。英国の欧州連合(EU)離脱の行方も不透明だ。

 10月の消費増税を控え、日本経済の足腰を強めるのは急務だ。政府はアベノミクスの問題点を直視し、消費活性化に本腰を入れるべきだ。

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