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プラスチック危機

安価で丈夫なプラスチックは多くの製品に用いられ、20世紀半ば以降の暮らしを大きく変えた。一方で、2050年までに海に流入するプラスチックごみの総重量が、世界の海に生息する魚の総重量を超えるとの予測もあり、分解されずたまり続ける大量の廃プラスチックの問題が世界で懸念されている。「便利さ」追求の陰で広がる「危機」を現場から考える。

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プラスチック危機

紙おむつ下水処理に懸念の声

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おむつリサイクルのためのオゾン処理施設=鹿児島県志布市提供
おむつリサイクルのためのオゾン処理施設=鹿児島県志布市提供

 高齢化の進展に伴い、増加する使用済み紙おむつの処分が課題となっている。国土交通省はおむつを破砕し下水へ流す方法も検討しているが、原料の多くはプラスチック。専門家からマイクロプラスチック(MP)による海洋汚染を懸念する声が出ている。

 ●22年度までに指針

 国交省が2月に公表した推計によると、おむつの使用人口は現在の661万人から2040年は779万人に増加、使用量は年間142億枚になる。介護関連施設などへのアンケート調査では「収集場所への運搬」が大きな負担となっていた。水分を多量に含む使用済みおむつは燃えにくく、焼却炉を傷めることや温室効果ガスを発生させることも問題となる。

 こうした現状を踏まえ、国交省は22年度までのガイドライン作成を目標に、下水を利用したおむつの処分方法を検討している。家庭や施設に下水とつながる専用装置を設置したうえ、装置内で(1)おむつから汚物を分離。汚物だけ下水に流しおむつはゴミとして回収(2)おむつを破砕し固形物のみ回収。排水は下水に流す(3)おむつを破砕しそのまま下水に流す--の3案だ。

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