メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

「シリアのIS、100%制圧」 米とクルド部隊が宣言

「イスラム国」(IS)残党が掃討され、シリア民主軍(SDF)の旗がはためくシリアのバグズ村=23日、ロイター

 【ワシントン会川晴之、カイロ篠田航一】トランプ米大統領は22日、シリアで過激派組織「イスラム国」(IS)が支配する地域を「100%制圧した」と発表した。米軍の支援を受けるクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)も23日、IS残党の最後の拠点だったシリア東部バグズ村を「解放した」と表明。ISが「建国」を宣言した2014年から続いた米国の掃討作戦は大きな節目を迎え、トランプ氏は米軍の撤収を加速させるとみられる。ただ、ISは支配地域を失っても残存勢力による「拡散」が懸念されており、テロの脅威は依然として残ったままだ。

 トランプ氏は昨年12月、「ISを打倒した」として突然シリアからの米軍撤収を表明。だがこの時も実際には戦闘は続いており、SDFはIS残党が立てこもるイラク国境の村バグズで掃討作戦を継続していた。

 ISは一時、シリアとイラク両国の3割の領土を支配。これに対し米国は有志国連合を結成し、14年8月からイラクで、9月からはシリアで空爆を開始した。米国はイラク政府軍とは協力したが、対立するシリアのアサド政権とは連携できず、シリア国内の少数民族クルド人勢力を支援。17年にはISの主要拠点だったイラク北部モスル、シリア北部ラッカを奪還した。

 一方、作戦終了後もテロの脅威は消えないとの見方も根強い。米国防総省は2月4日に公表した報告書で、米軍が撤収した場合に「シリアではISが6~12カ月後に限定的な領土を回復する可能性がある」と指摘。ボーテル米中央軍司令官も米議会証言で「圧力をかけ続けなければISが復活する」と警戒感をにじませたが、来年の大統領選を控えたトランプ氏には早期に「IS制圧」を宣言したい狙いがあったとみられる。

 一時は8万人とされたIS戦闘員は大半が死亡・逃亡したが、実戦経験を持つ残党の拡散は各国にとって脅威だ。ISの分派や支持勢力は現在もエジプト、アフガニスタン、フィリピン、西アフリカ地域などで勢力を維持。「ISは次の潜伏先としてアジア方面を重視している。逃走の際に偽造旅券を使う残党もおり、各国とも流入を完全には阻止できない」(エジプトの過激派研究者)との見方もある。

 イラク生まれのIS最高指導者バグダディ容疑者も所在不明のままだ。IS残党は現在、バグダディ容疑者の指示と無関係にテロを続けているとみられるが、ISネットワークの実態解明には最高指導者の身柄確保が重要で、トランプ政権は逮捕につながる情報提供者に2500万ドル(約27億6000万円)の懸賞金を用意し、行方を追っている。

おすすめ記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 心肺停止の女性死亡、死者2人に 逮捕の運転手「発車しようとしたら急発進」 神戸・バス事故
  2. 池袋暴走事故 亡くなった松永さん親族ぼうぜん「だまされているような」
  3. 池袋暴走、ドラレコに音声 87歳男性「あー、どうしたんだろう」同乗の妻の問いに
  4. 神戸で市バス、多数はねる 男性1人死亡、女性2人心肺停止 64歳運転手逮捕
  5. 池袋暴走 ハンドルほぼ操作せず 87歳男性パニックか

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです