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小倉和夫・青山学院大学特別招聘(しょうへい)教授
演劇、オペラといった「芸術的」興行のみならず、最近は結婚式から政治的行事まで「演出」ばやりである。それも、演出のプロやセミプロが各所に登場し、世はまさに「演出時代」の感がある。広告と宣伝、イメージ作戦やブランド作りがはやる現代では「演出」の重要性は言をまたない。
しかし、広告、宣伝には、夢を追う「大衆」と、粉飾や誇張をあえてする「広告屋」との無言のなれ合いが必要なように、ある行事が演出されると、「演出者」と「観客」との間に、知らず知らずのうちになれ合いが生じる。その結果、その行事が本来持つべき真面目な理念や思想が横に置かれ、イメージ作りだけが先行する。商品やサービスの販売については、それも良いであろう。しかし、社会の変革、あるいはそれへの触媒となるべき活…
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