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もう一度食べたい

缶入りドロップス カランコロンに聞いた希望

昔ながらの味が楽しめるサクマ式ドロップス。左が復刻版。横書きの文字が右から左へと書かれている

 「がん……ですね」。そう告げられ「やっぱりな」と思った。父も母も、同じがんで逝っている。早期の手術を勧められ、心が少し揺らいだ。「どうする? このままでもいいか」。迷いながら病院を出た。駅へ向かう途中、いくつもの影が私を追い抜いていった。「俺はいま、どんな顔をしてるのだろう」。そう思ってビルのショーウインドーに顔を映した。「これは!?」--沈んだ顔の向こうに、記憶にある懐かしの缶があった。

 半世紀、いや60年ぶりに見る缶入りの「サクマ式ドロップス」。子どものころ、四角い缶を揺らし、振るたびに耳に届いた「カラン、コロン」。その心地よい響きと音が、私のこころに安心を運んでくれた。「まだ、ある。まだ……」と。通りに面したビルは佐久間製菓の本社(東京都豊島区)だった。「そうか、ここで出会ったか」。そう思ったとき、もう一度、こころの缶を振ってみようと思った。

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