◆秦隆司(はた・たかし)さん
(ボイジャー・2700円)
電子出版と完全受注生産の本の販売により、返本ゼロを実現した米ニューヨークの出版社「ORブックス」。同社の経営者、ジョン・オークス氏に著者が3年に及ぶ取材を行い、米国の出版業界の現状や課題についてまとめた。著者はニューヨーク在住で、記者・編集者として出版業界に長く携わった経験を持つ。執筆の理由について、「オークス氏は『ニューヨーク・タイムズ』の社主一族のメンバーである。オークス氏の話を中心にニューヨークの新聞・出版の歴史や現状を描きたかった」と説明する。
リーマン・ショック直後の2009年、中堅出版社の編集者だったオークス氏は、大手出版社からリストラされたコリン・ロビンソン氏とORブックスを設立した。二人は起業にあたり、<出版社は返本という大きな課題を抱えており、既存の出版モデルは破綻している>という問題意識からスタートした。売れる作家に多額の印税を支払い、大量に印刷して配本する--という旧来型のビジネスモデルは、<潤沢な資金がある大手出版社だけ…
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