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役員報酬3000万円前後に抑制 経産省が官民ファンドの新運営方針公表

 経済産業省は26日、同省所管の官民ファンド「産業革新投資機構(JIC)」の新たな運営方針を公表した。産業競争力強化という「政策目的の実現」を前面に出し、政府の関与を強化する。年1億円を超す水準が批判された役員報酬については「他の公的機関を参照」すると明記し、おおむね3000万円前後の水準に抑制する見通しだ。経営の自由度が下がることになり、人選は難航が予想される。

     JICは昨年9月、社長に元三菱UFJフィナンシャル・グループ副社長の田中正明氏を迎え発足した。ところが、経産省が田中氏らに事前に示した最大1億円超の報酬水準に「高い」との批判が上がり、同省は事後撤回。経営への関与も強める構えを見せたため、反発した田中氏ら民間出身の取締役全9人が一斉に退陣し、事実上、機能停止する異例の事態となっている。

     新方針は、JICの役割を「政策目的の実現に寄与すること」と強調。バイオや創薬、宇宙、素材などを例に、民間だけでは投資が難しいものの「政策的意義が高い」分野を積極的に支援する方針を掲げた。政策の実現に向け認識のズレを避けるため、政府とJIC経営陣が定期的に対話する場も設ける。

     報酬水準について、ファンドを管理するJIC本体は、民間の慣行に加えて「他の公的機関も参照する」とし、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の理事長(約3150万円)などを念頭に決める。実際に投資を行う傘下のファンドは民間水準を基本に定めるが、支払総額に上限を設けることなども想定している。

     旧経営陣の下では、競争力強化と同時に高収益の確保を目指す考えもあった。これに対し、新方針は全体の収益目標を「元本毀損(きそん)を回避する」にとどめ、ハードルを下げた。

     経産省は今後、新方針に沿って経営陣選びを本格化させるが、政府の関与が強まり、報酬水準も下がることから人選は難航必至だ。世耕弘成経産相は26日の閣議後の記者会見で「前回の反省もある。履歴書だけ見てゴーサインということではなく(新方針に)納得いただけるかどうかも含め、拙速にならないようにしたい」と述べ、慎重に人選を進める考えを示した。【和田憲二】

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