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大阪地検に「デジタル鑑識」 西日本全域カバー拠点 4月設立

DFで動画を復元したイメージ

 大阪地検は4月、電子機器を解析して捜査に活用するデジタルフォレンジック(DF)を専門的に担当する「大阪DFセンター」を設立する。パソコンやスマートフォンの情報は裁判でも証拠としての重要性が増しており、西日本全域の「デジタル鑑識」を強化する狙いがある。

 センターは2017年4月に設置した東京地検に続き、全国2カ所目。大阪地検は同月に準備室を設置し、センター稼働に向けて計画を進めていた。今後は両センターが拠点となり、全国の検察が行うDFを支援できるようになる。

 電子メールや無料通信アプリ「LINE(ライン)」などのデジタル技術が犯罪に悪用される例が増えているが、データは後から削除・改変することが可能なため、保全と解析、復元が欠かせない。

 警察にも同様の部門があるが、検察独自にDFを行うことで、より確実にデジタルデータを分析できるようになる。福岡高検管内までの西日本全体をカバーし、押収された機器の解析や記録の復元に当たるほか、職員の研修も支援して技術の底上げを図る。

 詳細な体制や設備は公表されていないが、中之島合同庁舎(大阪市福島区)にセンターを設置。民間企業から採用したDF技術の専門家も配置する。

 大阪地検では10年、特捜部が証拠のフロッピーディスクを改ざんして隠蔽(いんぺい)した事件が発覚。刑事司法を揺るがす問題となり、客観証拠を重視する流れが強まっている。

 地検幹部は「容疑者の取り調べと客観証拠が捜査の両輪なのは変わらない」とした上で、「DFは今後、事件の真相を解明する上でさらに重要になる」と期待を込めた。

準備室 虐待事件で成果 動画復元、有力証拠に

 大阪地検はこれまでも、DF準備室で年間100件以上の電子機器を解析してきた。重要な証拠を発見し、裁判で有罪につながる例も出ている。

 「しばく時間が来たぞ」。今年2月、大阪地裁の法廷で、母親が男児に虐待する様子の動画が流された。

 2017年12月、大阪府箕面市で長男(当時4歳)が虐待を受けて死亡し、母親と同居の男2人が傷害致死罪で起訴された事件。大阪地検が母親のスマートフォンを解析すると、次男(同2歳)にも暴行する様子を撮影していたことが分かった。この動画の復元にも成功し、3人を傷害罪で追起訴した。

 動画は男2人の裁判員裁判で証拠として採用。次男が「痛いよ」と泣き叫ぶ生々しい場面も裁判官らの手元のモニターに映し出され、2人は懲役10年の実刑判決が確定した。

 被告が証拠を偽造するケースもある。昨年、大阪高裁の控訴審で、覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた20代の男が「覚醒剤は知人に無理やり使わせられた」と主張。ラインで、知人から薬物を使用させられるのを拒む会話が残ったスマホの画像を証拠として提出した。

 だが地検が画像を解析すると、作成日が1審判決後だったことが判明した。高裁は男がスマホ2台を操作して会話を偽造したと認定。「裁判所をだまそうとした」と批判し、控訴を棄却した。【高嶋将之、松本紫帆】

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