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男女一緒、あらためて大人の性教育 60代も学んだ最新の避妊法

「大人の性教育勉強会」で登壇した(右から)染矢明日香さん、福田和子さん、神田つばきさん、司会のくまがいけんすけさん=中嶋真希撮影

 かつて学校で男女別々の性教育を受けた大人たちが、改めて一緒に性について学ぼうというイベント「第1回大人の性教育勉強会」が23日、東京都中央区のイベントスペースFinGATE KAYABAで開かれた。今回のテーマは避妊。望まない妊娠や中絶をなくすために中高生向けに性教育をしているNPO法人「ピルコン」代表の染矢明日香さんと、避妊や性に関する情報を発信することで女性が多様な生き方に合った人生設計ができるようになることを求めて活動している「#なんでないのプロジェクト」代表の福田和子さんが登壇した。幅広い年齢の男女約60人が来場し、最新の性教育を受けた。【中嶋真希】

 大人の性教育勉強会は、アダルトビデオ(AV)の脚本家で作家の神田つばきさんが主催。企画した理由を「20年間、性に関する仕事をやってきたが、わからないことだらけ。性の仕事をしてる人には何をしても大丈夫と思われて傷つくこともあるし、一方で自分が人を傷つけたり、相手を受け入れたりできないことがある。どんな距離感で近づけば、人はわかりあえるのかを勉強したいと思った」と語る。

 女性の性に関するイベントは、参加者も女性が多くなりがちだ。男性にも聞いてもらおうと、SNSなどで発信。その結果、57人の参加者のうち、男性は17人と約3割で、質疑応答でも男性が積極的に発言した。年齢も20代から60代までが集まった。

中学生の93%が「性交知ってる」のに……

 イベントではまず、染矢さんが性教育の現状について講演。排卵についての知識がなかったり、中には妊娠検査薬の存在を知らなかったりと、性の知識が乏しい10代は多いという。一方で、「中学生の93%が性交についてすでに知っている」と染矢さん。高校の保健体育の教科書では、中絶に対する悪い印象を植え付けながらも具体的な避妊方法の紹介は不十分だと指摘。大人が性教育への意識を改める必要があると説いた。

 また、「子供たちが性的な関心を持つ以前に、大人から性欲の対象としてみられている」という現実もあるという。女子中学生を装ってツイッターのアカウントを作ってみたところ、「エッチしよう」「援助で会って」といったメッセージが続々と寄せられた。現在、染矢さんは、子供たちに性的同意などについて教える海外の動画を翻訳して日本に広めるプロジェクトも進めている。

 1年間のスウェーデン留学中に多様な避妊の選択肢があることに驚き、帰国後の2018年春に「#なんでないのプロジェクト」を始めた福田和子さんは、スウェーデンで採用されている避妊インプラントや避妊シールのメリットやデメリット、生理痛を軽減する効果などについて詳しく紹介。自分に合った避妊法の選び方を紹介した。

 来場者に「どの方法で避妊がしたいか」を福田さんが問いかけると、避妊インプラントなど日本ではできない方法に手を挙げる人が多かった。「こうした避妊法は、日本では選択できない。低容量ピルも値段が高く、ほぼコンドームしか選択肢がないのに、緊急避妊薬へのアクセスがない。薬局で買えるようになれば、『彼氏のコンドームの使い方、大丈夫だったかな』と不安になっている女性を救うことができるはず」と訴えた。

「女性が抱える問題は、男性も知っておくべきだ」

 女性の性に関する話題が中心だったが、男性はどう感じたのか。以前はAV制作の仕事をしていたウェブマーケターの大川まあなぶさんは、「(イベントで聞いた話は)目からうろこだった。女性が抱える問題は、男性も知っておいたほうがいい。性に関する問題の土台には、AVの影響があると思う。AV業界は、快楽の部分を残しつつも、性の教養を伝えるようなプロジェクトをやらなくてはだめだと思った」と話す。

 性に関する仕事に就く人も来場していた。現役AV女優の美咲結衣さんは、「AV女優の仕事をしていると、情報を発信しようとしても『AV女優なのにまじめ』『つまらない』と言われてしまうことがある。AV業界に入るまで、ピルのことなどは知らなかった。業界外の人なら、もっと知らないかもしれない。今日は、堅い職種の人からAV業界の人まで、さまざまな人が集まり、一緒に避妊などについて学ぶことができたのが良かった」と話した。

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