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平松 洋子・評『〈女流〉放談』イルメラ・日地谷=キルシュネライト

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執拗な問いかけで作家の本音を引き出す

◆『〈女流〉放談 昭和を生きた女性作家たち』イルメラ・日地谷=キルシュネライト/編(岩波書店/税別2900円)

 1982年2月から約三カ月、日本文学を研究する若いドイツ人女性が日本に滞在した。イルメラ・日地谷=キルシュネライト、当時三十三歳。その数年前に博士号を取得、テーマは三島由紀夫『鏡子の家』論。彼女は、日本文学研究の一環として、女性作家十四人にインタビューを敢行する。

 本書に収録されたインタビュー記録はそのうち十一人。佐多稲子、円地文子、河野多惠子、石牟礼道子、田辺聖子、三枝和子、大庭みな子、戸川昌子、津島佑子、金井美恵子、中山千夏。くわえて、2018年に瀬戸内寂聴に会い、このインタビューを措(お)く。「女流」「放談」という時代性を帯びた文言を(あえて)重ねた題名は、80年代初頭の空気を浮上させる試みというわけだろうか。

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