(1)辻村深月『傲慢と善良』(朝日新聞出版)
(2)鴻巣友季子『謎とき「風と共に去りぬ」-矛盾と葛藤にみちた世界文学-』(新潮社)
(3)キム・ヘジン著、古川綾子訳『娘について』(亜紀書房)
言葉の先には細かな鎖がぶらさがっていて、他者の感覚やイメージを引っぱり上げることで理解を可能にさせてくれる。だが、「結婚」のような言葉だと、その鎖がじゃらじゃらと重たいせいで、時に枷(かせ)となってしまうことがある。
(1)はジェイン・オースティンの『高慢と偏見』を下敷きに、現代の婚活事情の息苦しさを緻密に描いた異色のミステリー。「傲慢」と「善良」という一見相容(あいい)れない様相が、「自分の価値観」なる軛(くびき)によって奇妙な姿で併存してしまう社会に篤実な警鐘を鳴らしている。
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