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大人の発達障害は今/上 いじめ、虐待受け多重疾患に

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「自閉スペクトラム症」のユウさんは、対人関係でトラブルがあると何十分も手洗いを続ける強迫症状が出る。手のひらの皮がむけ、手袋が欠かせない
「自閉スペクトラム症」のユウさんは、対人関係でトラブルがあると何十分も手洗いを続ける強迫症状が出る。手のひらの皮がむけ、手袋が欠かせない

 「発達障害」という概念のない時代に育った大人の発達障害者。その多くは周囲から特性を理解されず、厳しい叱責や冷遇を受けてきた。障害に加え、いじめや虐待の経験、精神疾患という「多重の生きにくさ」を抱える今の姿を追った。

 「すみません、掃除が終わらなくて……」。東京都北区で1人暮らしをする女性のユウさん(48)=仮名。自宅を訪れる記者を、いつもビニールの手袋とエプロン姿で出迎える。彼女が住む築30年以上のアパートは不思議な空間だ。掃除を毎日欠かさず床にはほこり一つ落ちていないのに、部屋の隅にはダイレクトメールや使い捨てのプラスチックスプーン、ウエットティッシュが積み上げられている。1人暮らし向けの家電の中で、なぜか洗濯機だけが大容量の乾燥機付きドラム式だ。

 ユウさんは、発達障害の一つである「自閉スペクトラム症」。精神疾患は他にもある。解離性障害、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)--。診断書には、幼少期からいじめを受け続け、親からの身体的、心理的虐待があった、と記されている。

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