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余録

英文で「武士道」を著し、世界にこの言葉を広めた新渡戸稲造は…

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 英文で「武士道」を著し、世界にこの言葉を広めた新渡戸稲造(にとべ・いなぞう)は、何を考えたか明治の終わりに起こった野球害毒論の先陣を切っている。当時の新聞が始めたキャンペーンで、大論争になったのはいうまでもない▲「野球と云(い)う遊戯は悪く云えば巾(きん)着(ちゃく)切りの遊戯。対手を常にペテンにかけよう、計略に陥れよう、塁を盗もうなど眼(め)を四方八方に配り神経鋭くしてやる遊びである」。有名な「巾着切りの遊び」論で、青少年への悪影響を難じたのだ▲義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠という武士道の徳を欧米の倫理を引きながら論じ、その普遍性を説いた新渡戸だった。その目に、野球の駆け引きは武士道にもとると映ったのか。もっともこの野球害毒論争、反害毒派の圧勝に終わった▲武士道にもいろいろあり、駆け引きは相撲にもあろうが、この人の「武士道」は新渡戸譲りの一直線だろう。大関昇進の口上で「武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず、相撲道に精進」すると述べた貴景勝(たかけいしょう)関である▲九州場所で初優勝し、3場所の通算勝ち星を34としての順当な昇進である。だが数字より何より、上位力士に真っ向からの押し相撲を挑んでの勝ち星の印象が鮮烈だった。初土俵から28場所での大関は史上6位のスピード出世という▲どんな大関になりたいかとの問いには、「大関になるというより、もう一つ上を目指す」。はったりも、ごまかしもない。立ち合いからノンストップで押しまくるポスト平成の時代の「武士道」である。

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