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新年度予算が成立 何のため国会はあるのか

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 新年度予算がきのう成立した。一般会計の総額が当初段階で初めて100兆円を超える予算だ。

 統計不正問題の解明をはじめ、審議の大半は中途半端なままである。にもかかわらず最後は与党が数の力で押し切る光景が常態化している。

 一体、何のために国会はあるのか。そんな思いが募るばかりだ。

 毎月勤労統計の不正調査問題では厚生労働省の特別監察委員会が2度にわたり調査結果を公表したが、不十分な内容だった。

 統計調査は政策の土台である。なぜ不正が続いてきたのか。2018年からひそかに「データ補正」を始めた点を含め解明するのは、政府をチェックする国会の重要な責務だ。

 ところが与党は参考人招致や資料提出を小出しにし、データ補正当時の厚労省担当室長の招致は先送りしている。引き続き解明が必要だ。

 安倍晋三首相も「私は関与していない」の一点張りだ。ただし首相がこれまで自らに都合のいい数字ばかりを並べて、アベノミクスの成果をアピールしてきたのは確かだ。

 これは、今も「回復が続いている」としている政府の景気判断が妥当かどうかという問題につながっている。野党は物価の影響を勘案した実質賃金の参考値を公表するよう求めているが、同省は拒んでいる。これでは建設的な議論は進まない。

 外交で大きなテーマになったのは北方領土問題だ。首相は北方四島のうち、歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)の2島返還に軸足を移しているとみられる。だが大きな政策転換にもかかわらず、国会では「静かな環境で交渉を続けていくことが必要」と繰り返すのみだ。

 交渉の全てを明らかにせよとは言わないが、「外交に口出しするな」と言わんばかりの姿勢はあまりに不誠実だ。かえって交渉の行き詰まりを示しているようにさえ見える。

 失言が続く桜田義孝五輪担当相らが責任を取らずに続投しているのも、与党が予算審議の日程には影響がないと考えているからだろう。けじめをつけない姿勢も変わらない。

 与野党ともに今後は統一地方選や参院選に関心が移りそうだ。だが選挙前だからこそ、国と地方の将来にかかわる人口減少問題などについて活発な論戦をすべきだろう。国会をこれ以上空洞化させてはいけない。

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