夢かなった一周忌 熊本西、34年前に甲子園出場の亡き夫も「きっと感謝」
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第91回選抜高校野球・1回戦
○智弁和歌山13-2熊本西●(28日・甲子園)
センバツ第6日の28日、第1試合で強豪相手に粘り強く戦った熊本西を、卒業生の米本寿子さん(51)=熊本市=は特別な思いで見守った。同級生で、1985年の夏の甲子園に出場した夫文彦さんをアルプス席から応援した。最愛の夫が亡くなったのは昨年3月28日。同校として34年ぶりの甲子園で、偶然にも後輩たちの試合と夫の命日が重なった。
「西高を再び甲子園に連れて行ってくれることを、主人も私も感謝しています」。今月中旬、母校のグラウンドで米本さんは出発を控えた選手たちに語りかけた。涙で声を詰まらせながら繰り返したのは「ありがとう」の言葉。選手たちは真剣な表情で聴き入った。
文彦さんは、85年夏の甲子園1回戦の磐城(福島)戦に先発で出場。同校初の甲子園で2点適時打を放って勝利に貢献した。「きれいな打球だった」。米本さんは鮮明に記憶している。2人は卒業後の90年に結婚。3人の息子に恵まれ、文彦さんは草野球を続けた。
夫に「ステージ4」のがんが見つかったのは2017年6月。家族が目標にしていた翌年3月25日の50歳の誕生日は自宅で迎えることができたが、その3日後に亡くなった。
「最後に旅行に行ったり、桜を見たりした日々を思い出してしまう」。一周忌を迎える怖さも感じていた1月末、熊本西の21世紀枠でのセンバツ出場が決まった。34年前に見た景色が脳裏によみがえり、わくわくする自分がいた。後輩たちが心の穴を埋めてくれた。
この日、米本さんは一周忌の法要で駆けつけられなかったが、同級生がスタンドで文彦さんの遺影とともに応援してくれた。
前回準優勝の智弁和歌山を相手に、後輩たちは二回に2安打を放って先制。中盤突き放されたが、継投で終盤を無失点でしのいだ。試合後、霜上幸太郎主将(3年)は「目指していた『全員野球』を見せることができた」とすがすがしい表情を見せた。
米本さんは、自宅で3人の息子と法要を営む前にテレビで後輩たちを応援した。「緊張の中でよく頑張ってくれた。ありがとう」。涙があふれた。【清水晃平】
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