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第94回センバツ高校野球

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第91回選抜高校野球

2回戦 星稜、巻き返しならず 習志野に1-3 「美爆音」が脅威に /石川

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習志野に敗れ、スタンドへのあいさつを終えて引き揚げる星稜の選手たち=阪神甲子園球場で、徳野仁子撮影 拡大
習志野に敗れ、スタンドへのあいさつを終えて引き揚げる星稜の選手たち=阪神甲子園球場で、徳野仁子撮影

 <センバツ2019>

 第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第6日の28日、星稜は習志野(千葉)に1-3で逆転負けし、2年連続の準々決勝進出を逃した。

 二回に岡田大響右翼手(3年)の適時打で先制したものの、その後は習志野の2番手・飯塚脩人投手(3年)の前に打線のつながりを欠いた。劣勢からの巻き返しという、昨秋の明治神宮大会決勝で浮かんだ課題の克服は4月以降に持ち越し。「夏こそ日本一」の思いを新たに、選手は金沢に戻る。【岩壁峻、矢倉健次、高井瞳】

 一塁側アルプススタンドにはこの日、約700人の星稜関係者が詰めかけた。ここには苦い記憶がある。済美(愛媛)に逆転サヨナラ満塁本塁打を浴びた、昨夏の甲子園だ。右翼ポール直撃弾を目の当たりにした鍋谷正二校長にも、残像は残っているという。「あれから選手たちは苦しい思いをしてきた」と気遣いながら、勝利を願った。

 秋の公式戦でベンチ入りしながら今大会直前で選外になった選手たちも、スタンドから見守った。金谷太陽外野手(3年)は前日の練習で打撃投手を買って出た。「調子がいいと感じていた」という岡田選手が先制打を放つなど、悔しさの中でも、チームに貢献できていると実感した。

 選手たちにとって、「美爆音(びばくおん)」と呼ばれる習志野吹奏楽部の応援は、やはり脅威だったようだ。特にこたえたのは、打線が沈黙した中盤以降。山下智将部長は「いつもだったら失敗してもベンチの中で『次、行こう』という声をみんなが出して(上向きの)雰囲気を作っていくのに、今日はそんな声がベンチ内でも聞こえにくかった」。

 山下部長は「自分のモチベーションを上げるためにも声を出し続けろ」とグラウンドの選手に指示したが、24日に1回戦のスタンド観戦で体感したはずのブラスバンドの音色にけおされてしまった。ボールボーイとして土を踏んだ部員たちも「異変」を感じていた。一塁ベンチそばで待機していた芳賀大樹選手(3年)は「終盤は仲間たちの表情が良くなく、焦りがあった」と振り返る。

 平日にもかかわらず3万8000人の大観衆。加えて、相手の大声援。先発の奥川恭伸投手(3年)は一回のマウンドを降りると、「今までで一番緊張している」とベンチで漏らしたという。非情な幕切れとなったが、気持ちを整えながらの3失点完投は非凡さがなせる業だ。父隆さん(52)は「負けて強くなればいい。これをどう生かすか」と奮起を促した。

会心の当たり、先取点 岡田大響右翼手(3年)

習志野戦で二回に適時打を放ち、塁上で笑顔を見せる星稜の岡田大響右翼手=阪神甲子園球場で、幾島健太郎撮影 拡大
習志野戦で二回に適時打を放ち、塁上で笑顔を見せる星稜の岡田大響右翼手=阪神甲子園球場で、幾島健太郎撮影

 初戦に続き第1打席で放った安打で、先取点を挙げた。「打撃の感触はいい。だけど調子に乗らず、力まず中堅方向に打つことを意識して……」。イメージ通りの中前打は「打った瞬間、安打だと思った」という会心の当たりだった。

 甲子園で初めてフル出場した23日の1回戦を終えると、宿舎に戻るバスに乗った途端に寝てしまった。「翌朝もだるかった。そんなに緊張していたんだな、と」。休養十分で迎えたこの日は、活躍できる予感もしていた。

 星稜中からの盟友、有松和輝左翼手(3年)が1回戦に2安打1打点。普段は有松選手がちょっかいを出す立場だが、今回ばかりは「プロ注目やん」と、たっぷりいじった。ただ、これも共に結果を出せているからこそ。今大会は2人で6安打。外野手同士の切磋琢磨(せっさたくま)の証左だ。

 もちろん、反省もある。逆転を許した直後、七回1死二塁での三振。「追いつかなきゃ、という気持ちが強くなりすぎて、ボール球を振ってしまった」。好機であればあるほど無心に近づく精神力を磨きたいと思っている。

 大響の名は「ひびき」と読む。「本当は『響』の1文字でもよかったんですけど、私の名前を付けたくて」と、父大典(だいすけ)さん(40)。夏に甲子園に戻ってきた時、そのバットはさらに大きな音を響かせるだろう。【岩壁峻】

相手の5倍演奏

応援曲を奏でる星稜の吹奏楽部員=阪神甲子園球場で、矢倉健次撮影 拡大
応援曲を奏でる星稜の吹奏楽部員=阪神甲子園球場で、矢倉健次撮影

 ○…一塁側アルプス席の最も内野寄りに陣取った星稜の吹奏楽部員38人は、ある決意を持って試合の応援に臨んだ。「『美爆音』で知られる相手(習志野)のブラスバンドは160人という数だけでなく、動画で見た迫力も衝撃的だった」と部長の細川一華さん(3年)。それだけに「自分たちは開き直って相手の5倍、気持ちのこもった演奏をするしかない」。曇り空の下用意した「男の勲章」「明日も」など12曲を肌寒さを吹き飛ばすように奏でていた。

失策 夏取り返す

 ○…3番の知田爽汰三塁手(2年)は今大会8打数3安打と、まずまずの成績でチャンスメーカーとしての仕事を果たした。悔やまれるのは、勝ち越しを許した七回表2死二塁での失策だ。「正面で球を受け止めないといけないのに」、体が泳ぎ気味のまま捕球してしまった。大会前には林監督がマンツーマンで指導するなど、守備での「強化指定選手」。苦い記憶を推進力に、夏では攻守で成長を見せつけたい。


 ▽2回戦

習志野

  000100101=3

  010000000=1

星稜

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