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社説

ふるさと納税の弊害 小手先の対応では済まぬ

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 ふるさと納税をめぐるさまざまなゆがみは、看過できないレベルに達している。

 自治体に寄付すると税の優遇措置が受けられるふるさと納税について、自治体からの返礼品を規制するための改正地方税法が成立した。

 返礼品の調達費が寄付額の3割を超えたと総務省が判定した場合、6月以降はその自治体に寄付しても、優遇措置の対象外とする。

 高額な返礼品による寄付の争奪戦が過熱し、政府は自主規制を促してきた。基準を守らない自治体が多いため、規制強化に方針を転換した。

 しかし、返礼品に上限を設けるような措置だけでは、弊害を是正するには不十分だ。

 大阪府泉佐野市は今年度、360億円もの寄付を集める見通しだ。同市は法律による規制を見越し、寄付者に流通大手アマゾンのポイントを総額100億円分還元するとして「閉店キャンペーン」を展開した。

 総務省は、泉佐野市など高額な寄付を集めた自治体に配分する特別交付税の減額を決めた。一種のみせしめとみられる。

 ふるさと納税では自治体に寄付した場合、住民税などが控除される。故郷や応援したい自治体に善意の支援をするふれこみだった。

 だが、返礼品による寄付争奪の結果、規模は年間3600億円(2017年度)に拡大した。多くの自治体が得るべき財源を奪われ、受益者負担の原則に反する状態だろう。

 返礼品が主役になり、官製のカタログショッピング化した。金券まで返礼品となり、富裕層が節税に使うようになった。泉佐野の「閉店キャンペーン」という名称はグロテスクに変容した実態を象徴している。

 認定NPO法人への寄付制度と比べてもいまの制度は不公平だ。NPOに寄付した場合、換金性がある返礼品は認められない。このままではNPOに対する寄付を定着させていくうえでの阻害要因にもなる。

 そもそも寄付制度であるにもかかわらず「ふるさと納税」という名称を冠することにまやかしがある。

 故郷などの応援や、自然災害で被災した自治体への支援に活用するというのが本来の姿だろう。やはり返礼品を廃止し、純粋な寄付制度に改めるべきだ。

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