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第94回センバツ高校野球

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第91回選抜高校野球

市和歌山6-2高松商 王国、花盛り 市和歌山、速攻8強

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 <2019 第91回センバツ高校野球>

第6日(28日・阪神甲子園球場)

 市和歌山は一回、緒方のソロ本塁打で先制した。二回は壱岐が2点二塁打。四回も壱岐の適時打などで3点。四回までの7安打を全て得点に絡めた。先発・柏山、六回途中から救援の岩本とも粘り強く投げた。高松商は再三の好機を生かせず、得点は六回の上田の適時打による2点のみ。四回に守備の乱れが重なったのも響いた。

52年ぶり、鮮やか好球必打

【高松商-市和歌山】二回裏市和歌山2死一、二塁、壱岐が中越え2点二塁打を放つ=徳野仁子撮影 拡大
【高松商-市和歌山】二回裏市和歌山2死一、二塁、壱岐が中越え2点二塁打を放つ=徳野仁子撮影

 二回2死一、二塁。市和歌山の9番・壱岐が真ん中高めの球に脇を締めて力強く振ると、中堅フェンス際まで伸びる二塁打になった。2点を加え、これでリードは3点。完全に主導権を引き寄せた。

 壱岐は1回戦で出番がなく、この日が甲子園初出場。187センチの長身の2年生は、投手起用の兼ね合いで自分に出番が来ることを朝から予感し、食事もろくにのどを通らないほど緊張していた。しかしこの初打席、2ボールから最初のストライクをファウルにして「バットを振り、タイミングも合ったことで楽になった」。もう1球ボールをはさんだ後に来た甘い球を逃さず、しっかり捉えた。

 市和歌山は1回戦で呉(広島)に延長の末サヨナラ勝ち。開会式直後の独特の雰囲気に包まれ、全員が極度に緊張して苦戦した。この日は力を発揮するため「特に1巡目の打席は打てるボールが来たら積極的に振ろう」と確認して臨んだ。

 一回は緒方が高めの甘い球をフルスイングして左翼席へたたき込んだ。二回は1死から山田が最初のストライクを左前打、続く滝谷も初球を右前打にしてたちまち好機を築いた。2戦目でリラックスした選手たちが狙い通りの打撃で作った流れに、唯一の初先発だった壱岐も乗り、鮮やかな速攻になった。

 同県のライバル智弁和歌山の快勝を見て「僕らもやってやる」と気合が入った。前回準優勝校を上回ろうとする市和歌山の勢いは、どんどん加速している。【石井朗生】

収穫の2失点

 ○…背番号9の市和歌山・柏山が先発投手の役割を果たした。五回に連打を浴びて無死一、二塁のピンチを招いたが、最も自信のある直球で高松商の香川を右飛に打ち取り、後続も断った。

 昨夏はエースナンバーを背負ったが、制球難で昨秋の近畿大会は登板機会なし。今冬は下半身強化に努めてきた。

 この日は六回途中2失点で降板。背番号1の岩本にマウンドを譲ったが、「悪いなりにしっかりとまとめられた」と収穫を口にした。

高松商、六回に一矢

【高松商-市和歌山】六回表高松商1死満塁、上田が右前2点適時打を放つ=徳野仁子撮影 拡大
【高松商-市和歌山】六回表高松商1死満塁、上田が右前2点適時打を放つ=徳野仁子撮影

 ○…高松商の6番・上田が2点打で一矢報いた。6点を追う六回1死満塁。3球目が顔の近くを通り過ぎ、「相手に向かっていく気持ちになれた」。得意な直球に狙いを絞り、甘く入った4球目を上からたたくと、打球は右前適時打になった。投手として入部したが昨秋は出場がなく、打力を生かすために打者転向し、冬場にバットを振り込んだ。背番号17の2年生は「やってきたことは間違いじゃなかった」と確かな手応えをつかんだ。


 ○…2回戦…○

 △午前11時56分開始(観衆3万7000人)

高松商(香川)

  000002000=2

  12030000×=6

市和歌山(和歌山)

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